各種お問合せは|TEL.0494-53-1280 FAX.0494-24-9633|〒368-0046 埼玉県秩父市和泉町20番

院長ブログ

新型コロナウイルス感染・第17報(2021年9月9日)

平常診療体制への復帰

8月17日最初の院内感染の確認以来、新規入院・予定手術等一部の診療体制を制限してまいりましたが、現在、院内感染は十分にコントロール下にあり、2021年9月8日から、平常の診療体制に復帰致しました。

今後も、引き続き、新型コロナ感染症の患者さんに付いての入院治療、ワクチン接種、濃厚接触者に対するPCR検査、発熱外来、PCRセンターとしての機能等を行ってまいります。

私の医師として生きた半世紀の中で「通常の診療・手術・検査が出来ること」がこんなに素晴らしい、有難いことであると初めて気付かされました。

出来るだけ早くコロナを収束させ、全精力を一般診療に注入できる日を念願しています。

ご迷惑、ご心配をお掛けしましたが、今後もより一層、感染防御体制を強化し、地域医療を行なってまいります。ご理解の程、宜しくお願い申し上げます。

 

 

『仮称・抗体カクテル療法センター立ち上げ』

この療法は最近大変有効であることが分かって来ました。まだ症例は少ないですが、当院での十数例の経験でも同様に有効性を確認しております。

現状での、この療法を行う条件ですが、外来での治療が可能となりました。ただし、投与後の副反応が発言した場合に備え、接種後24時間医療機関に連絡できる体制が確保され、状況により入院が可能であるとのことです。従って、実際には、新型コロナ感染症を受け入れている病院ということになります。

一方、医療逼迫・感染病床の不足に伴い、自宅療養中患者さんが増え続け、その中で重症化したり亡くなったりする事例が増えて来ています。

そこで当院では、自宅療養中の患者さんの内、適応基準を満たす患者さんに保健所や自宅療養協力医療機関と連携し「抗体カクテル療法」を行いたいと考えています。

 

当院の少ない経験と多くの知見から、この療法は早期に行えば、重症化を防ぐことができると確信しています。

今、この療法の適応基準や実施条件が定まっておりませんが、大変有効であることは間違い無く、当院でも適応症例があり次第、お引き受けし、治療を行うつもりです。

 


新型コロナウイルス感染・第16報(2021年9月4日)

院内感染

8月初旬頃より、埼玉県でも感染者の急増で、感染者の入院が難しくなり、同時に重傷病床も不足、当院でも重傷者に対し、人工呼吸器を使用しての治療を行なわざるを得ない状況もありました。一方で自宅療養者も急増しており、重症化した場合の対処の難しさ、救急車の受け入れ困難が現実のものとなって来ました。

 当院ではコロナ感染者専用病床を10床備えて感染者への治療を行っております。

こんな状況下で、痛恨の極みでありますが、8月17日に一般病棟の入院患者さんに初めてPCR検査陽性が判明、以来、8月24日の間に、計12名の患者さんと、病室担当職員2名(計14名)にPCR検査陽性が判明しました。感染した患者さんの大半はすぐに感染病床に移し、感染病床に収容できなかった患者さんは、特別個室感染病床を整備し、抗体カクテル療法等を行いました。その後は新規入院の中止、入院手術の中止等の対処、全入院患者さんと全職員に対する、最低2回/週のPCR検査の実施を続けました。新規感染患者さんの経過は良好です。その後、10日間感染者は出ませんでしたが、9月3日に陽性者が一人判明しました。

2名の職員は、二人ともワクチンを2回打っておりましたが、感染しました。すぐに抗体カクテル療法を行い2週間の自宅待機としましたが。二人ともほとんど症状は現れず、現場復帰しています。

今後は来週初めまで経過を見つつ、保健所・埼玉県のご助言を受け、当院の今後の診療体制を決定していくつもりです。

今回の反省から、予定入院・手術は原則ワクチン二回接種後の入院とし、当日の抗原・PCR検査の実施等を徹底するなど、院内感染防御態勢を今まで以上に強化するつもりです。

今回の苦い経験から、学んだ事があります。

①    ワクチンを2回接種していない方に感染者が多く見られたこと。

②    一方、ワクチンを2回接種していても感染することもあること。

③    しかし、ワクチンを2回接種していた人は、感染しても重症化しないこと。

④    抗体カクテル療法は大変有効であること。

許されるなら、出来る限り早期に、感染者の受け入れを再開し、加えて、医師会の先生方と協力し、自宅療養者への抗体カクテル療法の実施等、コロナ感染患者さんへの治療を継続して行きたいと考えています。

同時に、今までと同様に、一般患者さんへの入院治療・手術も行っていく所存です。

当然、若者へのワクチン接種、特に小学生のご家族、中学生とそのご家族への接種を早急に行いたいと考えています。

このことが当地域に於ける、秩父病院の使命と心得ております。

ご迷惑をおかけしておりますが、早く通常の診療、生活、社会が戻ることを願い、めげずに頑張りますので、何卒ご理解の程宜しくお願い申し上げます。

 


新型コロナウイルス感染・第15報(2021年8月18日予定であったが、本日9月4日アップ)

コロナ対策を振り返って感じた事

2020年2月より当地でも始まったコロナ禍は1年半を経過した現在、日本は第5波に見舞われ、感染者が大幅に増え、感染者の入院治療もままならず、自宅療養者が急増しています。

私は、2021年5月10日(第9報)のこのブログに

『コロナ禍は緊急事態を過ぎもはや地球規模の災害です。コロナとの戦争といっても良いでしょう。しかし、日本では臨戦態勢とは程遠い状態』と指摘しました。三度目のより広域の緊急事態宣言、蔓延防止法は発せられましたが、いまだ、政治家や行政の意識は変わっていない様です。この結果、国民の意識も大きく二つに分かれるように思います。「ただ怖がり自粛・自粛」と「無知・無関心・他人事」です。自由主義国家の日本では強制的な施策は出来ないことは喜ばしいことです。しかし、コロナとの戦争なのですから、国民の意識も変わらなければいけません。

最近、やっと、テレビ等の専門家やコメンテーター、政治家の言葉に「災害級」という表現が現れ、ついに今はコロナ禍の現状を「災害」「有事」と言い出しました。「やっとわかったか?」と私は思います。

私はそうなった原因を独断と偏見は承知で推測してみたいと思います。

1,国民、市民、医療従事者等すべての人の危機意識の欠如。

2,新型コロナウイルス感染症に対する、正確な認識の欠如

3,マスコミの市民の動揺をあおる報道・世界の正確な情報の欠如・情報量の偏り

4,無知と利己主義、他力本願

5,国家、地方行政システムの不備・対応の遅さ・縦割り・前例主義・リーダーの欠如

6,行政、医師会、保健所、現場医療機関等のコミュニケーションと協議の欠如

7,非常時(有事)ということを忘れた、度を過ぎた個人情報保護と自由という言葉の履き違え、おかしな平等意識

言い出せば切りがないので、より具体的な私が痛切に感じていることを列記します

①    私は、唯一ワクチン接種がコロナに対するきわめて有効な手段、つまり感染と重症化を防ぐ唯一の方法と考えています。しかし、マスコミは、副反応等のマイナス面を話題にし、接種を控える風潮を助長しているように思えてなりません。

②    若者にワクチン接種を希望しない人が多いことから、ワクチンの安全性のメリットを示し、逆に、感染後に後遺症が残るという脅かし、さらに、接種したら何かしらの、「ご褒美」を挙げるという。メリットと脅かしはまだ、良しとして、「ご褒美」は開いた口がふさがらない。これでは、日本人としての資質、品位が疑われる醜態である。「他人の為、家族の為、仲間の為にワクチンを打つのではないのか」情けない。

③    新型コロナ感染症の疾病としての怖さ

正直、まだ私にもわかりません。しかし、私どもが常日遭遇している疾患、がんや心筋梗塞、脳卒中等と比べると、命に直結するという意味ではそれ以上に恐ろしい病気とは思えません。

新型コロナウイルス感染症は早期に対処すればまず死ぬことは無いと思っています。

今のところ、決め手はワクチンしかないと考えています

 


新型コロナウイルス感染・第14報(2021年7月28日)

当院で行なった新型コロナウイルスワクチンの接種は、2021年7月28日現在、初回および2回目接種の合計が、11514回と1万件を超えました。

2021年6月6日に開始した、日曜日のドライブスルーによる3回の500人、4回の1000人接種、7月25日の500人接種が事故なく終了し、やや安堵しています。

今後も8月1日と8日の日曜日の500人(2回目)、および平日の接種を9月末まで予定しています。

ドライブスルーの1000人接種では梅雨、テントが飛ばされそうな強風と豪雨、猛暑と、毎回辛い状況がありました。予想外であったのは超高齢者の被接種者が自身で運転してくる方々が多く、常に事故の不安があり、私の気持ちは休まる暇はありませんでした。スタッフの内、二人が熱中症になりましたが大事に至らず。幸い車の事故もなく終わりました。昼のお弁当が唯一の楽しみでした。スタッフにこんなつらい仕事を強いて良かったか?『疲れた‼️、二度とやりたくない‼️』が今の心境です。皆も同じ思いでしょう。

一方、今日本の状況は私の予想通り、悪化の一途を辿っています。私には、この原因がオリンピック・パラリンピック開催とか、緊急事態宣言の発出の時期とか、規制・自粛の要請の程度とか、目に見える要因のみとは思えません。悪化とは単に感染者の急増ではありません。人々の心が沈んでいく、あるいは若者の無責任があるとしたら、それこそが悪化の重大な原因の一つです。今、経済か感染抑制か?などと言っている暇はありません。社会が崩壊してはなりません。『私には、新型コロナウイルス感染症が、社会を崩壊させる程の重篤な病気とは思えません』何かがおかしい。政府も専門家のコメントもマスコミも、もっと状況を正確に伝えるべきです。不安をばかりを煽ってはいけません。

死者は何歳なのですか?基礎疾患はあるのですか?癌やその他の疾患との死亡率の比較は? 自分で自分の首を絞めている風潮が、マイナス思考が、たまらなく嫌です。

ワクチン接種はあくまで希望者は、その通りです。初めて開発されたものですから当たり前でしょう。しかし、新型コロナが発症して、1年7ヶ月が経過し、第5波の真っ只中、何度目かの緊急事態宣言が発出されている現在、個々の被接種者の意識に対する社会的コメントは、何かおかしい。今、感染者の主体は若者です。彼らがワクチンを打たなければ決してコロナは収束に向かいません。そのため、彼らに脅かしと、彼ら自身のメリットを理解させて、ワクチンを接種させようとしています。これは根本的に間違いです。ズバリ言います『自分の事のみを考えないで、他人のこと、家族のこと、社会のことを考えて下さい、もっと現状を直視し、当たり前の危機感を持って下さい』

今年の2月に初めてワクチンが接種された頃とは違います。一部の基礎疾患のある人を除けば、『ワクチンの副反応が怖いので接種はしない』は、私には無知、無責任としか思えません。

 

 

以下に当院での11514回のワクチン接種(全例ファイザー)の副反応等のデータと一般の関連データを紹介します。

対象  11514回の被接種者の内訳 約9000回(78%)は65歳以上の高齢者であり、内約70%は80歳以上の超高齢者でありました。

1、 接種後の観察時間中に明らかに副反応と診断件数した症例は5件です。(第13報で報告済み、以後無し)   0.05%以下

2、 内1例をアナフィラキシーと診断(第13報に報告済み)  0.01%以下

3、 予診票および問診の結果で、接種を中止した症例は2件です。(第13報で報告済み、以後無し)   0.02%以下

4、 接種前に被接種者から直接当院へ電話等でアレルギーおよびアナフィラキシーの既往の申告があった症例は23例(予診票のアレルギーのチェックは除く)です。内訳は蜂刺されによるものが12例、薬剤9例、食材1例(エビ)、不明1例です。蜂刺され症例の内1例はアナフィラキシーショックで当院に緊急搬送の既往がありました。この症例を含め、2例がエピペンを携帯しているとのことです。申告のあった全例に接種を行いましたが、初回・2回目接種後、観察時間内に副反応は発症しませんでした

5、 接種(モデルナ)の翌日以降の副反応発症のデータは、7月26日に厚生労働省から1万人当たりの発症件数が発表されました。接種部の筋肉痛、発熱、頭痛、倦怠感が主なものです。2回目に多く認められたとのことです。

当院の職員及び関係者、約150人(300回)に行った接種(ファイザー)の翌日以降に発症した副反応は、上記の結果とほぼ同じでした

6、 新型コロナワクチン接種によるアナフィラキシーショック死亡例は私の知る限りではありません

7、 日本医療安全調査機構の「注射剤によるアナフィラキシーに係る死亡例の分析」の提言の一部を紹介します。

①    アナフィラキシーショックはあらゆる薬剤で発症の可能性がある。複数回、安全に使用できた薬剤でも発症し得ることを認識する

②    造影剤、抗菌剤、筋弛緩剤等で発症の危険性が高い薬剤を静脈内注射(ワクチンは筋肉注射)で使用する際は、少なくとも、5分間は注意深く観察する

    薬剤投与後に皮膚症状に限らず患者の様態が変化した場合は、確定診断を待たずにアナフィラキシーを疑い、アドレナリン0.3mg(成人)をためらわずに、大腿前外側部に筋肉注射する

④    第1選択として、静脈確保やエピネフィリン1mgの静注は推奨されません。

 

繰り返しになりますが、現状ではワクチン接種を早く、大勢に接種する以外ありません。そして、ワクチンが足りないとすれば、その現状、地域に即した接種を臨機応変に行う必要あります。今は高齢者より若者、感染の機会が多いであろうと思われる職種、団体を柔軟に考え、あらゆる機会を捉えて接種するべきです。

7月28日、東京都の感染者が過去最多、3000人を超え、全国の感染者は9576人と1万人に迫る勢いです。

正確な知識と備えさえあれば、ワクチンは怖くありません。コロナも恐れ過ぎることはありません。オリンピックの日本の躍進は希望への光です。真の緊急事態の意味を全員が考える時です。有事に於ける心構えと正確な情報を根拠にした、個々の冷静な判断こそが求められます。

 

先日、一医療従事者の方から匿名でお手紙を頂きました。

院内メールで職員に知らせました。ただ嬉しくて涙が出ました。金メタルを取ったアスリートの涙、少しだけ似ているかも知れません?

感謝の気持ちを込めて、ご紹介させて頂きます.

 20210728161147.jpg

20210728161707.jpg

 


新型コロナウイルス感染・第13報(2021年6月30日)

超高齢者に対する1000人接種

2021年6月27日(日)初めての1000人接種を行いました。正確には、3週間前に1回目を接種した、すべて85才以上504人に加え(2回目接種)、概ね80才以上の初回接種の504人の計1008人です。1000人超えという事で、多少の不安はありましたが、全く問題なくスムーズに終了しました。

6月6日の500人接種開始以来、反省と修正を重ねたことと、何より「天の時・地の利・人の和」に恵まれたことでしょう。この梅雨時、雨も降らず、暑くもありませんでしたが、孟子の教え通り、「人の和にしかず」・多くの人たちの協力のおかげでありました。

当院の職員を含む70名を超えるスタッフがこの日の接種に参加しました。約半数はボランティアの方々です。今回から、医師、看護師に加え、歯科医師会の先生方と当院の歯科医師が「打ち手」に加わりました。秩父薬剤師会、調剤薬局の先生に注射器へのワクチン分注を担って頂きました。この作業はかなり繊細で注意と根気が必要な作業です。ワクチンの知識が豊富な薬剤師が適任です。当院ではベテラン看護師もこの作業に加わります。

実際のワクチン接種は5つのブースで行いました。①病院玄関・救急入口・エントランススペースに配置した、ドライブスルーブース3箇所、②接種される方が自身で運転して来たケースに対応する完結型駐車場ブース、③タクシー、自転車、徒歩等で来院した方に対応する院内(外来)ブースの5箇所です。

問診は当院の医師、研修医に加え、医師会の先生方にもお願いしました。

各ブースには最低3人、できれば4人が必要です。①問診医 ②打ち手 ③補助(打ち手補助・本人確認・接種券へのシール貼り・接種後の注意・観察時間の指示・説明・次回接種の説明等々)

さらに、当院のドレイブスルー方式では屋外の作業があります。交通整理、敷地内待ち駐車場での車列の整理、各接種ブースへの誘導、接種後の観察専用駐車場への誘導をしなければなりません。もちろん接種後の観察と副反応への対応の準備もしています。加えて、車列での待ち時間を利用し、主に事務職員による予診票の確認作業があります。

実際には、完璧に記入された予診票を持ってくる人は少数です。体温、名前、接種希望の記載がないのは普通で、ほとんどの人は封筒のまま差し出します。従って、車列待ち時間での書類チェックはスムースな接種作業を行うためには必須です。これには当院の歯科衛生士等の歯科職員も参加しました。

車の誘導は、初回接種か2回目か、運転手自身の接種か否か、混雑具合による各ブースへの振り分け等、臨機応変の指示が必要となります。この屋外作業は最も体力を使い、きつい重労働であります。この作業に多くのボランティアの方々にご参加頂きました。もちろん、当院の若い事務員や私よりはかなり、あるいは少し若いスタッフ達も良く頑張りました。本当に頭の下がる思いであります。

 

打ち手のみならず、平沼会長はじめ秩父歯科医師会の先生方には、接種後の観察駐車場での見守りと案内を担って頂きました。熊木町会の方々、栗原所長はじめ秩父臨床医学研究所のスタッフ、職員家族、元職員、秩父メディカルフットネスのスタッフ、友人達、正に「人の和」がこのプロジェクトを可能にしました。

皆の一番の楽しみは昼食のお弁当です。長谷川歯科部長が担当となり、リクエストにもこたえ、市内の複数のレストラン、食事処に毎回オーダーしています。何種類かのお弁当選びはほっとするひと時で、疲れを忘れさせます。また、冷えた大量のスポーツ飲料等も市内の商店から直送してもらっています。終了時にはクーラーボックスは概ね空となります。

 私が最も危惧したこと、それは超高齢者が自身で運転した来た場合です。今回の1008人の内半分は2回目接種の85歳以上、半分は初回接種の若干の70代後半を含む80代です。運転手も必ずしも若者ではありません。交通整理・誘導も一筋縄ではいきません。また、接種時に車のエンジンを停止するよう指示していますが、これも100%は守られません。アイドリングストップはブレーキを緩めると走り出します。電気自動車は全くエンジン音が聞こえません。私が最も心配であったのはこれらに関わる事故でありました。

大きな赤い旗を作成したり、車の前に決して出ない事、運転者を信じない事など、十分に注意を払った結果、幸い事故は今のところ起きていません。安堵しました。

一方で、秩父地域の高齢化と高齢者の生活の実態の一端を垣間見た思いです。

 このように、ドライブスルー方式は多くの人材とエネルギーを使う負担の多い接種方式でありますが、振り返って、この方式でなければ接種できなかった、あるいは接種する機会がなかった高齢者が多いことを知りました。高齢者に対するドライブスルー方式のワクチン接種は大変有効であると確信できました。

 副反応については、80代後半と90歳を超える4人の方が、嘔気、頭痛、めまい等を訴え、救急外来で経過観察・点滴等を行いましたが、ワクチン接種が原因かは不明です。いずれも1時間程度で回復され、帰宅されました。

当院は、今年(2021年)3月12日に最初に医療従事者への先行接種を開始して以来、現在までこれを続け、5月28日よりは並行して高齢者に対する接種を行っています。さらに、6月6日(日)より超高齢者に対し、毎日曜日にドライブスルー方式により500人・1000人の接種を続けています。また特別養護老人ホームの入所者と職員200名に対し出張接種も行いました。その接種総数は延べ6700回になります。

これらのすべての接種における、接種後から観察時間内に確認された明らかに副反応と診断した症例は5件です。いずれも若い方で、すべてに喉の違和感・胸部不快感を訴えました。その内一人は、四肢体幹に蕁麻疹様の発赤が見られ、安静・点滴・抗ヒスタミン剤投与を行いましたが、酸素化、意識、血圧に問題なく、エピネヒィリン投与には至りませんでした。一応「アナフラキシー」と診断しました。他の4人は安静ですぐに軽快、念のため二人に喉頭にボスミン加、生食スプレーを行いました。

予診票・問診について記載します。

現在まで二人の方の接種を見送りました。一人は「前日に飲酒し、その後全身に発赤出現、接種時にも発赤が続いていた」もう一人は「インフルエンザワクチン接種後に倦怠感あり」 

との訴えで中止となりました。

その他、接種見送りを検討した事例は、予診の段階で蜂刺されによる「アナフラキシー」を、今回一人の方が「アナフラキシーショック(意識消失)・以後常にエピペン持参」の既往を申した3例があります。この3人は、本人の強い接種希望があり、万全の体制を整え、接種を行いました。いずれの方も問題なく終わりました。その他、37度5分位の発熱は何人かいましたが、本人の症状や体調を確認の上、30分の経過観察として接種しました。従って予診票・問診による接種見送りは今のところ2人のみです。

私の印象として、副反応の発生する確率はかなり低く、重篤な副反応はさらに少ない、十分な観察と副反応に対する準備をしていれば、多くは接種可能であると感じています。

当院では全ての接種ブースに医師・看護師を置き、緊急薬品と緊急連絡体制を整えています。

今回、テレビ朝日と医療情報サイト(m3.com)の取材を受けました。

ニュース番組やテレビ朝日ニュースサイトで配信されました。

コロナ収束に向けて、私たちの取り組みが、より迅速で大勢のワクチン接種への火種・刺激となることを心から願っています。

テレビ朝日でのニュース動画は下のリンクから見ることが出来ます。

https://news.tv-asahi.co.jp/news_society/articles/000220647.html

IMG_2553.jpg


新型コロナウイルス感染・第12報 (2021年6月19日)

毎日新聞・秩父FMの取材

6月13日(日曜日)、毎日新聞記者さんの取材がありました。記事はウエブサイトに先行配信され、新聞記事は6月18日の朝刊に載りました。

以下、紹介します。

同日午前中に、秩父FMの取材とライブ放送もありました。

これらの情報発信が、さらなるワクチン接種の拡大、迅速化に繋がることを願っています。

MX-2661_20210623_164639_0001.jpg

 2021年6月18日(金)毎日新聞朝刊から転載


新型コロナウイルス感染・第11報(2021年6月14日)

6月13日(日曜日) 504人の高齢者に対して2弾目の接種を行いました。

今回は前回の経験を活かし、多少変更を行い、さらにスムーズに接種を完了しました。

接種を受ける方たちの年齢構成はほとんどが85才以上で、100才越えの超高齢者も混じり前回と概ね変わりませんでした。

しかし、院内での接種は前回の68人(接種者自身の運転34人・その他タクシー、路線バス、徒歩・自転車等)に対し、今回は94人(接種者自身の運転53人・その他)と増加しました。接種者自身で運転して来る割合は年齢が若くなるほど多くなる傾向が見られました。

幸い、今回も全く副反応は認められませんでした。

変更・改善

1、接種場所を一か所変更

2、雨天用のパラソルを整備

3、接種される方が運転して来た場合に備え、問診表等の書類整理のため、駐車場内にテントスペースの増設

4、院内接種場の整備・スタッフ増員

5、院内接種者に対し、駐車場と院内接種場の歩行補助(車椅子・傘さし補助等)

 

考察

1,午後に一時期、雨が降ったが、パラソルが有効であった

2,ワクチン接種に対するドライブスルー方式が十分理解されていない

3,今後、年齢層が下がるに従い、接種される方自身が運転してくる割合が高くなるであろう

4,前回の接種と合わせ・計1008名の接種を通じて、ほとんどの方は、ドライブスルー方式でしか、接種の機会・方法がないであろうと考えられた。従って、超高齢者に対して、ドライブスルー方式は大変有効であると確信できた。

5,一方、年齢層の低下従い、この方式を見直す時期が来る事を念頭に置く必要がある。

IMG_2440.jpg

IMG_2458.jpg

IMG_2459.jpg

IMG_2461.jpg

IMG_2465.jpg

IMG_2473.jpg

IMG_2476.jpg

IMG_2477.jpg

IMG_2479.jpg

IMG_2480a.jpg

IMG_2481b.jpg

IMG_2483c.jpg

IMG_2485d.jpg

IMG_2489.jpg

IMG_2490 (2)_LIa.jpg

IMG_2492e.jpg

IMG_2495 (2).jpg

InkedIMG_2496_LI.jpg

IMG_2498.jpg

IMG_2501.jpg

IMG_2502.jpg

IMG_2505.jpg


新型コロナウイルス感染・第10報(2021年6月9日)

1000人接種プロジェクト始まる

 2021年6月6日、85歳以上504名にワクチン接種を開始しました。

高齢者のADL、梅雨時であること、当院の駐車場を含む周辺環境を考え、ドライブスルー方式で行いました。接種ブースは3箇所、急遽、病院外来で1箇所の計4箇所で行いました。

接種は午前9時に開始し、午後4時に終わり、極めて順調に実施できました。今後3週間後には、初回接種と今回接種した方達が加わり、1000回の接種となりますが、十分に可能と思われます。

 IMG_2372.jpg

IMG_2373.jpg

IMG_2374.jpg

IMG_2375.jpg

IMG_2379.jpg

IMG_2381.jpg

IMG_2382.jpg

IMG_2386_LI (2).jpg

IMG_2388_LI.jpg

IMG_2390_LI.jpg

IMG_2392_LI.jpg

IMG_2396_LI.jpg

IMG_2394.jpg

IMG_2395_LI.jpg

この方式は、私の知る限り初めての方式であり、今後の8月8日まで続く、9回の日曜日の接種に今回経験を生かすため、さらに他施設で行う接種の参考にして頂きたいと考え、問題点と対策をいくつか書き置きます。

 

1、40名弱の方が、自分で運転して来られました。数名がタクシー、路線バスで来られました

2、自分で運転して来られた方達は、車から降り、駐車場・バス停から歩いて頂き、急遽院内で接種を行いました

3、この方達の内、何人かは、歩行がおぼつかない人も見られました

4、お一人は接種後、一旦自宅に帰った後、接種していないと思い込み、再来院しました。

接種しない、あるいは2回接種してしまう可能性もあり得ると感じました

5、副反応は全くありませんでした

6、接種後の観察は主に歯科医師会の先生方にお願いし、15分あるいは30分経過した方達に最終確認を行い、副反応をチェックしていただきましたが、ほとんども方達が「車の中で接種して頂き動かずに済み助かりました」と感謝されたとのことです

7、問診票の記載は多くは不十分で、駐車場にいる間に、スタッフが各車を周り、問診票のチェックや書類の整理を行いましたが、これは大変有効でした

8、自分で運転してきた方達は、この作業が出来ず、接種するまでに時間が掛かりました

9、ほとんどの方は時間枠を守り来院されましたが、日にちを間違えた方が若干名いました

10、      多くの車が県外ナンバーでした。このことは、秩父を出ている、子供さんや孫がわざわざワクチン接種のために帰って来た事が推察されます。

11、      一方で、85歳を過ぎた方の運転は、複雑な物を感じ得ません

 

問題点

1、 交通整理等に多くの人員が必要

2、 雨天、猛暑の対策

3、 接種される方への、事前の接種システム等の情報の伝達が必要

4、 特に、接種される方への、ドライブスルー方式の周知が必要。当院ホームページにも詳細を表示

5、 長期戦に備え、さらに多くの、医師、歯科医師、看護師、薬剤師、臨床検査技師等の専門職の協力依頼・確保が必要

6、 アルバイト、パート職員の雇用が必要

7、 路線バス(西武バス・小鹿野町営バス)の病院敷地への乗り入れについては、ご理解いただき、次回の13日からは、乗り入れなしとなった。(初回の6日は、西武バスより職員を派遣して頂き、交通整理をお願いした。感謝申し上げる)

8、 1000人接種体制ではドライブスルーと院内接種と併用が必要と思われる

9、 今後接種者の年齢層が若くなるに従い、自身で運転してくる接種者が増えることが予想される。

10、      駐車場内で車を動かさず、問診、接種、観察を全て完結する方式を模索する必要がある


新型コロナウイルス感染・第9報(2021年5月10日)

コロナ災害・戦争、ワクチン1000人接種プロジェクト

コロナ禍は、もはや地球規模災害です。あるいは、人類とコロナとの戦争といっても過言ではありません。しかしなから、日本では臨戦態勢とは程遠い感があります。

三度目の緊急事態宣言、蔓延防止法は発せられましたが、コロナ収束には、ほとんど役に立たないことがわかりました。

当院では、3月から医療従事者への先行接種を始めましたが、ワクチン不足で、2回の接種が終了するのは、7月3日の予定です。5月に入り、秩父にも、多量?の高齢者接種用のワクチンが揃いそうです。やっとチャンスが来ました。今こそ、ワクチンという武器でコロナと戦う時と思います。

当院では引き続き医療従事者への接種と並行して、高齢者への接種を行なっていきます。加えて、ワクチンが整い次第、6月の日曜日から、1日500人、3週後の日曜日よりは、1日1000人の接種を始める予定で準備中です。必ずやりとげるつもりです。これは私と秩父病院の意志であり、医療者のすべてが持つべき意識と思っています。

当院のチャレンジが全国の医療機関に広がることを願っています。

 

ところで、この戦略を実行するにあたり、あまりにも多くの障害があることを知りました。法律、規則、既成概念、縦割り制度、命令系統・責任体制・ワクチン接種システムの不備、リーダーシップの欠如、等々です。そして何より問題なのは、『なんでも遅いこと』です。これは致命傷になります。戦時には全くフィットしません。国民を含め、医療者、特に行政、医師会の意識改革、柔軟な思考が絶対に必要です。ワクチン接種が遅いほど状況は加速度的に悪化するでしょう。

 

「接種者がいない。場所がない」といいます。果たしてそうでしょうか?

「それは出来ない」そんなことはありません。「やるか、やらないか」です。戦争ですから「やるしかない」のです。

 

当院はすでに歯科医師に対しワクチン接種の研修を行っています。秩父郡市歯科医師会からは十数名の有志の先生方がワクチン接種への参加を表明して下さっています。

DSC01596.JPG

DSC01598.JPG

今は、国をあげて、最大限のエネルギーをワクチン接種に傾注する時です。

今こそ我々日本人の資質が試されます。

 


新型コロナウイルス感染・第八報・ワクチン接種(2021年3月15日)

1月7日に発令された緊急事態宣言は、東京、埼玉・神奈川・千葉県では、当初解除予定であった3月7日を過ぎても、さらに2週間延長され、いまだに解除されていません。宣言発令後、感染者数は減少傾向ではありましたが、変異ウイルスの感染が危惧される中、下げ止まりが続き、3月14日現在ではむしろ若干の増加傾向であります。

一方で、ワクチンの調達はなかなか進まず、報道を見る度に、期待と焦りと不安、やや諦めすら感じていました。

そんな中、三度目の正直と言いましょうか、やっと『3月11日』当院にワクチンが到着しました。

ただ、その量は、僅か1箱、(195バイアル・975回分)のみであります。

IMG_2086 (2).jpg

IMG_2100 (2).jpg

IMG_2081.jpg

IMG_2115 (2).jpg

IMG_4222 (2).jpeg

従って、当初予定していた医療従事者のすべてへの接種は不可能であり、大幅に削減せざるを得ませんでした。

しかし、とにもかくにも、秩父でも『3月12日』待望のワクチン接種が始まったことは大きな前進です。

この約1か月で様々な変更や問題がありました。ワクチンの保管等の緩和(超低温冷凍庫でなくとも5日間以内であれば保管可能)で当院より他の病院へワクチンの小分けが可能となったこと。一般の接種用注射器では1バイアルで5人分しか接種できないが、専用のものなら6人可能である、等々です。

テレビ等の報道では、ワクチンの日本への供給は、WHOの発展途上国優先発言、EUの許可が下りない等、思わしくない内容ばかりでした。実際、ワクチンの秩父への配給の時期も二転三転し、先の見通し、計画が全く立たない状態が続きました。

3月12日に当院で開始された、秩父地域で最初のワクチン接種は、小分けが可能となったこともあり、当初予定していたより、各段に接種者が少なく、3日間の接種は余裕をもって終わりました。副反応については、インフルエンザワクチン接種よりは接種時の痛みは殆どないものの、翌日の痛みは強い、頭痛、全身倦怠感、眠気は多い様です。数名は頭痛と胸部の違和感を訴え、念のため病室での経過観察を行い、1名は発疹と喉の違和感があり、アナフラキシーとして点滴ラインを確保し、ステロイドと抗ヒスタミン剤の投与、モニターリングを行いました。幸い、アドレナリンを使用するほどの重症ではなく、ほどなく改善しました。当院では、当然、アナフラキシーショックに対し、万全の体制を整えましたので、想定内でありましたが、今後の医療施設やそれ以外で行う集団接種、個別接種でも万全の準備体制は必要と考えます。

 IMG_2079.jpg

IMG_2121 (2).jpg

IMG_2120 (2).jpg

IMG_2112 (2).jpg

IMG_2113 (2).jpg

当初、医療従事者3000人、2回で計6000回の接種に備えて様々な準備をしました。駐車場の土地の確保と整備から始まり、場所とスタッフ確保の為に人間ドックを中止、会場の養生、密にならない接種者の流れの工夫、等々を真剣に行いました。

今回、最初の接種をスムースに終え、一安心、少し気の抜けた感じですが、まだ初回接種者に対する2度目のワクチンの到着予定は確定していません。

先日、河野太郎大臣はワクチン供給に明るい見通しを語りました、これが確実に実行されることを祈るばかりです。

明日(3月16日)より地域4病院に対しての小分け作業が始まります。今回の副反応等の経験は詳細にお伝えするつもりです。

その後の二回目の接種、初回に接種できなかった医療従事者への接種、老人施設や高齢者への接種と、まだまだこれからですが、慎重かつ確実に当院の役割を果たして行くつもりです。

今回、秩父臨床医学研究所よりスタッフの応援を頂きましたことに感謝申し上げます。


新型コロナウイルス感染・第七報(2021年1月28日)

IMG_2356 (2).JPG

昨年10月に第六報をアップした時と状況は一変しました。1月28日現在、秩父郡市での感染者の累計は150名を超えました。しかも毎日増え続けています。

現在日本は、第3波の渦中です。令和2年末より、令和3年の正月にかけ感染者が急増、1月7日には、東京や周辺県等に二度目の緊急事態宣言が発令され、現在11都道府県に広がっています。今や都会から地方への感染拡散の様相で、秩父地域も今年になって、特に1月中旬より激増しています。全国では私が最も心配していた、病院や老人施設で多数のクラスターが発生しています。残念ながら、当地でも老人施設で多数の感染者がでました。 

当院では院内感染は起きていません。絶対に院内での感染者を出さない覚悟と、徹底した感染防護体制を取り、通常の診療を守りながら、コロナ疑い患者さんの検査、感染者の入院治療を行っています。従って、日々緊張の毎日です。

最近では当院の感染病床は常に満床で、退院するとすぐに、県より感染者の入院要請が入って来ます。全国的に感染病床数は不足し、現在では、軽症者はホテルか自宅療養を余儀なくされる状態です。しかし、自宅療養中に悪化する患者さんも多数おられるようです。当院は埼玉県からの要請に応え、中等症以下の患者さんをお引き受けしていますが、最近では、軽症者は少なく、多くは肺炎を併発、又は酸素吸入が必要な患者さんです。入院中に重症化した時は大学病院等の専門病院へ転院が必要となりますが、重症者の治療ができる医療機関は多くはなく、病床も逼迫しているというのが実情です。当地域を振り返ってみると、当院を含む3病院で、中等症以下の入院病床が21床あるだけですが、どの病院もすでに満床状態です。これ以上、老人施設や、よしんば病院等で集団感染が起こったことを考えると「なす術」なし、恐ろしいことです。

現状、新型コロナの特効薬がない今、希望はワクチンのみでしょう。

当院は埼玉県からワクチン接種協力医療機関に決まりました

国は、ワクチン接種について、順番を決め、まず最初に医療従事者から接種を始め、順次高齢者から、一般の国民に接種する方針です。当院は秩父地域の医療従事者推定3000人に2回、計6000回の接種を行う予定で準備中です。

現在、人(接種スタッフ)、場所、方法を熟慮中ですが、必ずやり遂げる覚悟でおります。期間は2月末から開始とのことと聞いています。6週間で完了の予定で準備しています。(尚、この間、場所とスッタッフは人間ドックのスペースと人材が当たらざるを得ず、当院人間ドックは休止となります。3月に検診予定であった方々には、ご無理をお願いいたしましたこと、お詫び申し上げます。順調に接種が完了すれば、4月初旬には再開しますので、ご理解の程お願い申し上げます)

 

一般的にワクチンは、個々の人に十分な効果があったとしても、公衆衛生的・全国的な感染予防効果は、いかに多くの人が接種により免疫を獲得できるかに掛かっています。

世論調査によると、接種したくない人が約40パーセント、接種したい人が35パーセント、その他わからない、とのことです。

 

残念ながら、今のところ、この新しく開発されたワクチンはまだまだ不明瞭な部分が多くあります。

例えば、①発症を抑える ②重症化を防ぐ などは言われていますが、③自身が感染しないか(免疫を獲得できるか)④人に感染させないか(感染力)、などは分かっていないようです。しかし、それは当然と言えます。なぜなら、あまりにも急速に開発。製造され、従来のワクチンと比べ十分な臨床試験を経ないまま、さらに、まだ実際にほとんど行われていないのですから。

ただ報道によれば、イスラエルは国民の30%に接種でき、実際の感染者数は減少傾向とのことです。もう一つ報じられているのは、副反応は多くは注射局所の腫れ、発赤、痛み、頭痛、倦怠感などで、アナフラキシーショックは10万〜9万人に一人とのことです。死亡者は報告されていません。

 

もちろん当院では、酸素吸入、ステロイド、アビガン、レムデシビル等の入院加療を行なっています。しかし、

最も確実なことは、今のところ、私たちには新型コロナに立ち向かう強力な武器がありません。特効薬が無いということです。私は、これに期待をかけるしか無いと考えます。

 

ただ怖い怖いと恐れおののき、他の国の結果を何もせず見ていて良いのでしょうか?もしそうなら、自分の事しか考えない情けない国民とみられても仕方がありません。本当に悲しいことです。 無知・他人事として無関心でいられる時期は過ぎました。

欧米諸国等の実情をニュースで知るにつけ、最近の日本の状況を見ても、さらに実際に感染患者さんの診療を肌で感じている私には、何もしないと言う選択肢はありません。

もう、人ごとではありません。あなたが感染し、重症化しても、早晩、診療・入院すらできなくなるでしょう。

 

真っ先に医療従事者に接種する機会を与えられたことは、秩父病院として大変名誉なことであり、私個人としては、医療者としての本望でもあります。また、医療従事者が最初の接種者としたことは重要な意味があると考えます。①医療従事者は感染のリスクが高い ②なので、医療の人材を守り医療を崩壊させない ③医療者こそ現状が理解でき、適切な選択が可能 ④なので、医療者なら高率に接種を受け、ワクチン接種自体に弾みがつく。

仮に、医療従事者が30パーセントしかやらなかったら、一般の人はほとんど接種しないことになるでしょう。その結果、接種率とワクチンの効果は格段に落ちるでしょう。医療者の責任は極めて重大であります。

当院はワクチン接種に際し、完璧な体制で臨みます。薬物・造影剤・食物・蜂刺され等によるアナフラキシーショックに対する対処は、私を含め、スタッフの得意分野であります。救急病院として、何ら躊躇や恐れることではありません。

 

私自身は多少の基礎疾患はありますが、迷わず一番最初にワクチン接種を行います。

当院は130人の職員の99パーセントが接種予定です。

コロナに打ち勝つには、感染予防も含め、私たち自身が戦う以外ありません。

 

昨年の初期に患者さんから、大量のマスクをいただきました。先日は、秩父郡市歯科医師会の平沼清史会長より、看護師に激励のお花をいただきました。本当にありがたく、心にしみました。ありがとうございました。

尚、当院はスタッフが充足次第、感染病床を増床すべく、特別病室の改装を行っています。

 IMG_2363.JPG

IMG_2364.JPG

IMG_2366.JPG

IMG_2370.JPG

IMG_2385.JPG

IMG_2390.JPG

IMG_2396.JPG

IMG_2404.JPG

IMG_2417.JPG

IMG_2425.JPG

※ 写真は当院に入院中に重症化した患者を専門病院に転送するときの写真です。


新型コロナウイルス感染・第六報(2020年10月21日)

IMG_1581.jpg

2020年5月9日に第一報を院長ブログにアップしてより今回は六回目となります。その頃の当院の庭はポピーが満開でありましたが、その後ニッコウキスゲに代わり、今はコスモスが咲き誇り、もうカエデが色好き始めています。振り返れば、中庭に福寿荘が咲いていた2月よりの長いコロナとの戦いでありました。しかし、まだまだ終わっていません。

IMG_1576.jpg

第五報(2020年8月1日)をアップした当時より現在まで、コロナの関する様相は刻々と変化して来ました。

秩父地域でも夏に多くの感染者が出ましたが、その後も散発的に発生し、2020年10月21日現在は38名を数えます。東京や全国の発生状況もくすぶり続け、今や、日本の感染者は94000人を超え、死者も1600人を超えています。(10月20日・NHK)世界の感染者は4000万人を、死者112万人を超えました(10月21日・ジョンス・ホプキンス大学のまとめ)で、一向に収まる気配はありません。欧州やアメリカ等では再燃傾向で、特にイタリアとフランスは1日の感染者数が過去最高を記録したとのこと、再びロックダウンも必要な情勢です。

 

昨今の新型コロナウイルス感染に対する社会状況は「感染防御か経済か?」が大きな問題になっています。県境をまたぐ移動の自粛が解除され、イベントの観客数の緩和、Go to Travel・Eatなどが実施されるようになりました。国外との人の行き来も少しずつではありますが始まりました。

一方で、感染者は都会のみならず、全国に広がり、夜の街に止まらず、家庭、職場、学校等にまで広がり、さらに感染経路が分からない感染者も増えています。

ホテルや旅館、居酒屋やレストラン、観光施設等では経営困難に陥る施設が多発しています。誰しも食べていかなければなりません。規制、自粛の解除は致し方ない方向ではあります。しかし、この結果、感染が増大すれば、再びの自粛、規制強化が必要となり、悪循環に陥ります。世界規模で閉塞感が漂っているように感じます。

感染をある程度抑えながら、経済も復活させる。考えても考えても答えの出ない難題であります。

 

一方、今までの経験・知見から、新型コロナ感染症の特徴が分かってきました。

1、感染力が強い 2、感染リスクの避け方 3、感染しやすい環境(密閉、密接、密集)、 4、持病を持った高齢者、肥満体質の患者は重症化し易い 5、若者は無症状者や発症しないものも多い 6、飛沫感染が多い・換気がより重要、等々です。

また、日本人が欧米諸国等に比べ感染率や特に死亡率が低いことについても様々な推測がなされています。

 

私なりの考えを以下に書き綴ります。

まず、感染対策として、我々が社会人として出来ることは、第一に、『三密を避ける、加えてマスク着用、手洗を徹底すること』つまり『コロナ禍のマナーを守ること』であります。新型コロナウイルス感染の特徴をよく知り、『感染しない、感染させない』ことが唯一我々にできる行動であると考えます。

第二に、「そのうえで、必要以上にコロナを恐れず、引き籠らず、積極的に従来の生活と行動を取り戻すよう心掛けること」と思います。この二つが感染抑制と経済再生のための唯一の処方箋と考えます。

 

では我々医療機関にできることは何でしょう。

まず、病院の院長として、最も恐れるのはやはり院内感染であります。

発熱がないから安心というわけではありません。感染者はどこにいるか分からないのです。無症状者、軽症者といえども、他人に感染させることもあるのです。100%感染を防ぐことはできません。仮に、無症状の感染者が、手術や他の疾患、外傷等で入院したとして、お年寄りが多い入院患者に感染すれば、その結果は、考えるだけでも恐ろしいものです。

 

また、その他の問題として、このコロナ禍で医療機関への受診抑制が起こっていることも問題です。コロナ患者に積極的に対処している医療機関、特に感染者の入院を受け入れている医療機関程この傾向は強く、経営に支障を来たしている所もあるとのことです。さらに、風評被害や医療者への偏見・差別や誹謗すらあるという話を聞きます。これが事実とすれば、本当に悲しいことです。

また、症状があるのに、感染が怖いとの理由で病院に行くのをためらい、早期発見・早期治療を逃してしまうことがあるとしたら、これも大問題です。何も新型コロナだけが病気のすべてではありません。本末転倒と言わざるを得ません。これも一つの医療崩壊と言えます。

 

話を戻し、当院がやってきたこと、やるべきことをお話しします。

現在、埼玉県の感染状況はフェーズ3に止まっており、現状の当院の新型コロナウイルス感染者に対する受け入れは5床、フェーズ4に備え、7床の体制を整えています。

夏の一時期は保健所からの依頼の濃厚接触者に対する抗原及びPCR検査件数は大幅に増えました。ほかに医師会員よりの依頼であるPCRセンターとしての検査、当院の発熱外来としての検査、加えて、緊急・予定入院患者さんに対する検査は毎日行われており、2020年10月20日現在、抗原検査479人、PCR検査921人計1400件を超えます。

一時期は保健所の要請により、何人かの感染者に対し入院加療もおこないましたが、幸い皆元気に退院出来ました。これらの経験から、院内の感染対策は日に日に充実して来ていると自負していますが、常に不安を感じつつ日常の診療を行っているというのが現実です。

冬に向かって、インフルエンザとのダブル流行が懸念されています。

それでも当院は地域病院の使命として、今までと変わらず、新型コロナウイルス・インフルエンザに対処して行こうと考えています。

 


秩父メディカルフィットネス

IMG_1556.jpg

現在、秩父神社に隣接する、旧秩父病院の「健康管理ビル」がリニューアル中で、

「秩父メディカルフィットネス」という健康増進施設に生まれ変わります。

11月末に完成し、来年(令和3年)2月より開業とのことです。

 

私は、現在まで半世紀近く秩父の医療に関わり続けてきました。この間、多くの患者さんを診察させていただき、同時に数えきれない程の手術も執刀させて頂きました。

その中で、何時も私の心の中で、気になっていたこと、残念に思っていたことがあります。

それは、当地域には『進行がんや末期がん』の患者さんが多い、ということです。手術で治せない方がいかに多いことか、外科医として、医師として、痛恨の極みであります。

 

当院は、34年前の昭和61年に、人間ドックを開始、翌年に「健康管理ビル」を増設し、「早期発見・早期治療」を目指し、検診内容の充実を図って来ました。これらは、病院移転後も変わらず続け、一病院として出来ることは精一杯行ってまいりました。

しかし、この「進行がんや末期がんが多い」という傾向は今でも変わっていません。秩父市ではがん検診の受診率は低く、がんを含む生活習慣病への啓蒙は未だ不十分であります。ましてや、医学的根拠を持った「予防の実践」は当地域ではほとんど行われていないと思われます。

 

今回、「秩父メディカルフィットネス」の開業に伴い、当院がこの施設と連携することによりこれが可能になります。具体的には「病院の医師・保健師・看護師・栄養士等」と「施設の健康運動指導士・トレーナー等の各専門指導者」が一体となって個人の健康増進を実践指導することができるようになるのです。

 

当院は130年近く、市の中心地で診療を続けてきましたが、10年前に移転しました。しばらくの間、地元の人たちの要望に応えるべく、旧病院の一部で、クリニックを開設していました。しかし、諸事情により閉院を余儀なくされ、その後病院建物本体は解体され、今は駐車場となっています。

かろうじて残った「健康管理ビル」も一時は解体を考えましたが、今回、別組織での運用が決まり、健康増進施設に変わります。これは私にとって大変感慨深いものでありますが、同時に念願であった、「検診から予防」への進化とも思え、「健康管理ビル」としての本来の目的を実践する絶好の機会と感じます。

疾病治療、検診に加え、私の長年の夢であった、「予防医療」が現実のものとなりそうです。

 


新型コロナウイルス感染・第五報(2020年8月1日)

秩父地域の新型コロナウイルス感染者は初期に2名が確認されていたが、その後は一人も発生せず、平穏でありました。しかし、7月下旬に久々に感染者が出ると、7月末までの短期間に、秩父市で16人、皆野町で2人の感染者が発表されています。(8月1日の読売新聞朝刊)これは10万人に対し18人という東京都等より高率な数字です。

最近の当院の様相も一変しました。毎日10件~30件のPCR・抗原検査が行われています。7月に入ってより、全国的には、東京を中心に大都市圏では第2波・3波の発生が危惧されていたが、今日現在では、地方に広がり、秩父地域もその渦に巻き込まれつつあります。

当地域では正に第1波の始まりと言えます。

 当院における新型コロナウイルスに対する検査の種類、受診のタイプは様々であります。

1、「帰国者接触者外来」として、保健所より依頼される濃厚接触者に対する抗原・PCR検査

2、医師会より委託されている「発熱外来PCRセンター」としての医師会診療所よりの紹介患者さんに対するPCR検査

3、当院の「発熱・問診異常者外来(独自の発熱外来)」として行う抗原・PCR検査

4、緊急入院患者さんに対する抗原・PCR検査

5、予定入院患者さんに対し、入院の2~3日前に行うPCR検査(当院では全入院患者さんに対し抗原またはPCR検査を行っている)

6、症状のない検査希望者に対する自費によるPCR検査

 以上、7月31日現在、PCR検査は400件を超え、抗原検査も200件を超えました。スタッフの体制は全職員が一丸となって当たっています。医師は、私も加わり、医科の常勤医師はもちろん歯科医師、さらに、非常勤の医師たちにも参加してもらっています。研修医達にも参加させ、良い地域医療研修になっています。

看護師たちの献身的な業務にはただただ頭が下がる思いです。

 IMG_1364.jpg

IMG_1387.jpg

他に、当院では6月中旬に、検査を希望する70名の職員に、抗体検査を行いました。幸い全員が陰性でありました。(抗体検査とは過去に新型コロナウイルスに感染したか否かの検査です)

 IMG_1376.jpg

院内の感染防護対策としては、7月より、首都圏等・圏外から研修にくる研修医には、直前に大学病院等の所属病院の責任でPCR検査を実施してもらい、陰性を確認後受け入れています。

また、首都圏よりお越しいただき、非常勤で当院の専門外来を担当して頂いている先生方の何人かに、しばらくの間、自粛をお願いしています。患者さんにはご迷惑をおかけしていますが、ご理解下さい。

職員には病院外でも徹底した感染防護対策を取るよう指示し、8月よりは、家族以外での5人以上の外での飲食・会食は控えるよう、院長としての指示を徹底します。

人間ドック・検診についても、受診者および当院スタッフの感染防護体制を一層強化します。

歯科においても、検温と問診を徹底し、少しでも感染が危惧される場合は、医科の「発熱・問診異常者外来」の受診をお願いし、抗原検査を行い、陰性を確認後に歯科の診察をする体制とします。ご理解いただきたいと存じます。

 IMG_1390.jpg

当院は今後も、より一層の感染防御態勢を整え「感染らない、感染さない」を合言葉に、可能な限りの対策を取り、感染リスクを減らし、患者さんと病院スタッフの安心・安全を守りつつ、新型コロナウイルスに正面から取り組んで行く所存です。


新型コロナウイルス感染・第四報(2020年6月17日)

5月25日 非常事態宣言解除

5月27日 県からの要請である、医師会が運営する「発熱外来PCRセンター」を受諾

5月29日 抗原検査可能となり、30日より、緊急入院患者に抗原検査を施行

6月2日 東京都の感染者が34人、東京アラート発令

6月11日解除

 

その後も東京を中心に都市部では感染者がくすぶり続けています。

 

6月15日より、「発熱外来・PCR検査センター」を開始しました。

これは令和2年4月15日に厚生労働省が示したスキームを活用して、

4月30日に埼玉県保健医療部が「PCR検査を集中的に実施する発熱外来PCRセンターの設置を郡市医師会にお願いしたい」との要請に答えて実施されるものです。

秩父郡市医師会は、医師会自らがこの事情を行うのではなく、圏内医療機関に再委託のための公募を行いました。

当院は、すでに「独自の発熱外来」「帰国者接触者外来」を開設し、感染者用病床を3床確保しております。また、全入院患者に対するPCR検査、緊急入院患者に対する抗原検査も行っており、PCR検査はすでに百数十人に実施しております。

幸い、6月17日現在、PCR陽性者は0であり、感染者の入院もありません。

一方でこの4か月の間に、新型コロナ感染症に対する防護体制・防護具の整備、職員の防護テクニック、感染防護の意識、何より秩父医療における当院の役割に対するスタッフの意志が熟成されて来ました。

地域医療を守るべく、当院は積極的にこの事業に参加することとしました。

 IMG_1299.jpg

IMG_1301.jpg

この「発熱外来・PCR検査センター」は診療所の先生方(かかりつけ医)が新型コロナ感染を疑い、PCR検査が必要と診断した患者さんをご紹介いただくものです。

医療者としての責務を可能な限り果たして行きたいと考えています。平日(月曜から土曜)の午前・午後受け付けています。

 

手続き、詳細は秩父郡市医師会より案内があると思います。

 


新型コロナウイルス感染、第三報 (2020年5月25日)

本日より埼玉県を含め東京、神奈川、千葉、北海道の国の緊急事態宣言が解除となった。感染者の報告は確実に減少傾向であるが、専門家の予測では、第二波、第三派が来る可能性が高いという。このウイルスの特徴である、

①    8割が軽症または全く症状がない ②無症状の感染者も感染力がある ③感染力が強い ④重症化のスピードが速い、等を考えると、まったく安心はできない。

たとえ感染者の報告が0となっても、すべての国民に検査を行っている訳ではなく、ウイルスは生体内に確実に生きて行くのであるから、何時感染の波が来るか分からないのである。

さらに、最近では、医療従事者の感染や院内感染が問題となっている。医療従事者が感染のリスクが高いことは当然であるが、近郊での院内感染は不安を募らせる。用心に越したことはない。

当院では5月20日に、救急玄関横に陰圧感染症用テントを準備した。

IMG_1254.jpg

IMG_1276.jpg

さらに、5月23日より、入院患者さん全員にPCR検査等を行うこととした。抗原検査も準備が整い次第、入院が必要な救急患者さんに行う予定である。

感染リスクの高い歯科や検査、疑い患者さんには完全防護体制で臨んでいる。

IMG_1231.jpg

IMG_1244.jpg

可能な限りの感染防止対策を行い、院内感染を防ぐ努力をしている。

5月18日より、検診・人偏ドッグを再開、歯科診療も平常に戻した。

 


新型コロナウイルス感染・第二報(2020年5月15日)

当院は

2月初旬より発熱外来を始め、その後4月末に感染者専用病床を1床

5月6日の連休明けより3床とした。

5月14日から帰国者接触者外来を開始した。

感染者専用病床には、ほとんど毎日、肺炎を伴う『PCR検査結果待ちの患者さん』が入院

している。幸い現時点で感染者は出ていない。

IMG_1227.jpg

IMG_1225.jpg

老人施設や救急車での来院も多く、高齢の重傷者、要介護者が多い。5月14日現在、満床である。担当の看護師は肉体的にも精神的にも大変である。

14日には発熱・救急外来から直接感染専用病床に運ぶルートを作った。幸い当院は木

造平屋でスペースに余裕があり、どこにでも窓がある。三蜜を防ぐには適している。病棟の

廊下の両端は開閉できる掃き出し窓があり、少しの段差で外に通じている。職員が手作りの

スロープを作り、これが可能となった。

IMG_1221.jpg

IMG_1222 (1).jpg

帰国者接触者外来とは何か? 埼玉県では、以下のようになっている。

患者さんがコロナ感染を心配した場合、まず直接に医療機関に受診するのではなく、

まず「埼玉県新型コロナウイルス感染症県民サポートセンターTel:0570-783-770)」

連絡相談後、疑い事例の場合には、さらに「帰国者・接触者センター(保健所)」の指示

を受ける必要がある。その後、受診調整を行い、初めて「帰国者接触者外来」紹介となる。

「帰国者接触者外来」は一般患者さんとの分離等、一定の基準を満たしていなければなら

ないいが、行政が行うPCR検査に加えて、民間のPCR検査が可能である。加えて、新し

く認可された簡易抗原検査もいずれ可能となるらしいとのこと。

PCR検査の数が日本は諸外国に比べて極端に少ないといわれ、首相や厚生労働大臣は

どんどん増やす体制を作ると言っているが、現在のところ「コロナ感染が心配」との理由だ

けでは、PCR検査はできない。あくまで医師の診察の結果で検査が必要と判断された場合

のみ検査が出来ることをご理解頂きたい。なるほど現状では、風邪の患者さんにPCR検査

をやっていたら、必要な患者さんに出来なくなるであろう。

当院では、発熱外来及び帰国者接触者外来の担当者に医師会や大学からの非常勤医師、加え

て、初期研修医も講習を行い全員参加体制で当たっている。

休止していた検診・人間ドッグも再開予定で準備中である。歯科についても、5月14日よ

り一層の防護体制を整え、受診抑制を解除した。

これらの体制により感染患者の来院が増え、職員の感染や院内感染のリスクが増すことは

十分に考えられるが、より一層の防護体制の強化と入院時検査等の充実を図り、絶対に院内

感染をださずに、コロナと正面から戦わなければならない。今、病院全体の意識が一つにな

ったと感じている。


新型コロナウイルス感染・第一報 (2020年5月9日)

2020年2月よりは、新型コロナウイルスに振り回されている。幸い当地域では、地元に起因する感染はなく、2020年5月9日現在、感染者の入院もないが、疑い患者さんは毎日来院する。

当院の新型コロナ対策の実際を紹介する。

当院は玄関先にブースを設け、来院者全員の検温と詳細な問診表への申告を行っている。発熱者や問診項目に問題がある方には、普段は救急車の患者さんを受け入れる救急外来で個別に対処している。

IMG_1186.jpg

IMG_1194.jpg

具体的には、自家用車で来院した患者さんについては、車での待機をお願いし、

車での来院でない方は、救急玄関脇に病院のワンボックスカーを準備し、ここで待機してもらっている。

担当医師と看護師は当番制として、私も参加しているが、可能な限り少数で対処し、当然防護体制で行っている。

IMG_1219.jpg

IMG_1217.jpg

風除室に陰圧テントを一基、救急室はゾーニングを行い、陰圧テントを別に一基備えている。患者さんとの連絡は携帯電話で行い、歩行可能な方は風除室のテント内で診察、ストレッチャーの方は救急室内のテントに収容し診察、治療、モニターリングを行う。ケースによるが、医師が待機中の車まで出向き、新たな問診と簡単な診察を行い、来院の経緯、状況、大まかな様態をチェックすることもある。

IMG_1174.jpg

IMG_1178(Edited).jpg

IMG_1208.jpg

必要により血液検査、PCR検査を行うが、CT等画像検査が必要な場合は放射線技師が防護着を着こみ、検査室まで運び検査を行っている。

入院が必要と診断された患者さんは、決められたルートで隔離病室に収容し、可能な限り一般患者さんとの接触を避けている。

現在当院では病棟の一角を感染症区域として、個室5室これに充て、この内の2床を準備・機材とスタッフの着替え・休憩室とし、3床を感染症病床として準備し、可能な限り一般病床との隔離を図っている。

現在最も頭を悩ましていることが二つある、一つは入院が必要な新型コロナウイルス感染症疑い患者さんへの対処である。当然PCR検査を行うが、結果が出るのに1日半から2日を要する。これでも大分早くなったが、この間の看護が大変である。疑い患者さんと言えども、感染者と同様の看護、治療を行わなければならない。当然看護師、医師は完全防護体制であり、いったんレッドゾーン区域に入るとトイレ一つにしても大変である。しかも、感染の意味からも人員数の面からも、可能な限り少人数で対処しなければならないので、必然、緊張・拘束時間は長くなる。

IMG_0931.jpg

IMG_0935.jpg

IMG_0936.jpg

もう一つは全くコロナ感染が疑われない患者さんの入院である。例えば緊急手術患者の感染の有無は現状では検査できないのである。新型コロナ感染者の実に80%が軽症あるいは無症状という。現場の思いとしては、新規の全入院患者さんへのPCR検査が望ましい。それでなければ院内感染を100%防ぐことはできないであろう。

ともかく、新型コロナウイルス感染症対策におけるストレスの中で、看護師・医師はじめ、スタッフ全員の献身的な仕事ぶりは、院長としてありがたく、頭の下がる思いである。

当院は当分の間、学会の指導もあり、検診・人間ドッグを休止している。また、歯科は救急患者を除き、診療制限を行っている。

一方で、可能な限り、一般の診療、手術、検査は続けて行くつもりである。何も患者さんはコロナ関係患者さんだけではない、要緊急手術患者・重症救急患者・癌患者等は命に係わるという意味では、当然コロナ感染者より重篤である。致死率はコロナ患者の比ではない。

コロナ如きに地域医療を崩壊させてはならない。地域の中核病院としての自負と気概を持って、最大限の努力を辞さないつもりである。

 


日本医科大学スキー部ホームページ

昨年11月に臨床外科学会参加の報告以来、院長ブログはご無沙汰であった。これは日本医科大学スキー部の50周年記念誌の作成とスキー部ホームページ作成のため、とても時間的余裕がなかったためである。やっと軌道に乗りはじめ、ホームページは未完成ではあるが公開された。

ご興味のある方は、「日本医科大学スキー部」で検索して頂き、ご覧いただきたい


日本臨床外科学会総会(2019年11月14日~16日)

総会特別企画 地域医療を考える:今何が問題か? で

『臨床外科医を育てるための地域病院の役割』

と言うタイトルでしゃべってきました。

IMG_0269.jpg

前日に高知入りし、夜は大勢の偉い先生達と一杯やりました。目的の一つである、藁焼きカツオのタタキ、ウツボのから揚げ、土佐清水のサバ、辛口の地酒をしこたま頂きました。

IMG_0271.jpg

IMG_0308.jpg

ホテルに帰ってからも部屋飲み、翌日は午前中の発表でしたが、座長も一緒に飲んでいたので、安心?して飲みました。

我ながら良い主張が出来たと思っています。拍手は一番多かったと自画自賛です。何故か?

「多分多くの人が思っているが、格好をつけると言えない事、又は全く無知なのかもしれません」を、私が研修医の生の言葉でズバリと言ったからでしょう。発表後に面識のない二人の先生が私のところへ来て、「涙が出そうでした」と評価してくれました。私のこのような指定演者としての全国学会での主張は3回目、フロアーからの意見を入れると4回目ですが、当たり前のことを、少しでも多くの指導医が気付いてもらいたいと思っています。

以下に発表内容を紹介します。

20191120170516.JPG

20191120170745.JPG

当院は埼玉県秩父市にある民間病院です。圏内に高次病院はなく、可能な限り地域完結医療を求められる環境です

20191120170715.JPGのサムネイル画像20191120170838.JPG20191120170900.JPG

8年前に市の中心より移転し、ヘリポートを併設しました。これにより、約10分で高次病院への搬送が可能となりました。

20191120170918.JPG20191120170933.JPG20191120170951.JPG20191120171020.JPG20191120171042.JPG

これは、研修後の感想文形式のレポートで、複数の人が、同じ趣旨のものを書いた文を要約しました 。厳選したものを紹介します。

20191120171100.JPG

彼らは、我々から見ると当たり前なことに驚いていました。研修風景をバックに彼らの「生の言葉」を紹介します

20191120171119.JPG

癌の腹腔鏡や開腹手術も多く、小児の手術も行われ、自分が想像していた地域医療より幅広く、高い水準で医療が行われていることを知りました。初アッペ、ヘルニアをやらせてもらいました

20191120171140.JPG

外科医が全身麻酔から腰椎・硬膜外麻酔をやっているのに驚きました。   ちなみに、当院の外科医3人は麻酔標榜医でもあります。

20191120171200.JPG

私が感銘を受けたのは、できることは自院で治療する、という強い覚悟です。そのことを、すべてのスタッフが持っている事を肌で感じました。

20191120171225.JPG

自分は消化器内科に進みますが、上部はかなり出来るようになりました。血管造影・塞栓術、ERCP,PTCD等、大学病院と変わらないことに驚きました。鎖骨下よりのCV挿入を初めて見ました。

20191120171245.JPG

大学病院が不人気の理由も推察できました。ところで、研修医から見て、外科医は格好が悪いのでしょうか?

20191120171346.JPG

飲み会、沢山やっています。医療の事だけでなく、しゃべって、歌って、様々な彼らの考えを知りました。何度、彼らの言葉に驚かされたでしょう。今は彼らとの付き合いは、私の活力となっています。

20191120171436.JPG20191120171455.JPG20191120171514.JPG

図の如く悪い連鎖に陥っています。地域医療の崩壊すら危惧されます

20191120171532.JPG

元々、医師臨床研修制度は「プライマリ・ケアの基本的な診療能力を身に着ける事」であり、新専門医制度も「医師の地域・診療科偏在が、重要な課題」としていますが、程遠い状況です

20191120171553.JPG20191120171612.JPG20191120171630.JPG

出来る限り、研修医の学会発表を指導しています

20191120171654.JPG

平成27年、主に研修医OBを対象とした塾、「花人塾」を開設しました。吉田松陰の松下村塾にかぶれたからであります。入塾資格は「志のある者」です。現在熟生は100人を超えました。

20191120171744.JPG

当院のイベントは全て知らせ、年に2回程、講演会やバーベキュー大会等を開催し、研修後のコミュニケーションも図っています。多くの研修医OBが当院を助けてくれています。進路・人生相談も、ありです。

20191120171725.JPG20191120171803.JPG

私事で恐縮ですが、この写真は昭和54年、父が、私の年齢と同じ72歳の時、医療功労章を受章した時のものです。父はインパール作戦に召集され、陸軍中尉として、野戦病院長を務め、九死に一生を得て生還し、当地で長く外科医をやっていました。患者の少年を抱く姿・両腕の浮きでた静脈は正に外科医の手であり、私には「かかりつけ医」を象徴している様に思えてなりません。


プロフィール
秩父病院院長 花輪 峰夫

秩父病院院長 花輪 峰夫

人と人との触れ合い医療を実践し、患者さんから信頼され、スタッフが気概を持って、地域に貢献できる病院を目指します。

記事カテゴリー
月別バックナンバー

PAGE TOP

秩父病院