花輪理事長の独り言
2015年11月21日開催された埼玉県外科集団会で、研修医の大石典子先生が「パッシング乳頭部陥頓結石による急性膵炎の1症例」を発表しました。大石先生は日本医科大学病院の初期研修医で、当院で地域医療研修をしました。私と守麻理子先生もこの学会に参加しましたが、堂々とした立派な発表で、共同演者の応援の必要はありませんでした。当院での研修は1か月と短いものでしたが、この学会発表が彼女のキャリアアップに繋がることを期待しています。学会終了後は、浦和名物のウナギで打ち上げとしました。
私はその後、今年最後のクルージングに伊豆に向かいました。久しぶりにくっきりとした富士山を拝めることができました。
今年は3回に分けて職員をヨットに連れて行きました。現在のホームポートである静岡県清水の富士羽衣マリーナから約4時間のクルージングで西伊豆松崎まで、そこで釣りを楽しむという行程です。職員の全員が船酔いもせずに、たくさんの魚を釣り上げることができました。それをすぐに松崎マリーナのオーナーの濱田さんや地元の仲間が調理してくれ、素晴らしいランチ、ディナー、おいしいワインを楽しみました。濱田さん、栄ちゃん、池野さんありがとうございました。また来年も行きますのでよろしくお願いします。
釣果や食事の様子は看護師ブログに掲載してあります。
平成27年10月1日より秩父花仁塾を開塾しました
対象者 当院スタッフおよびOB、当院で学んだ研修医、その他職種を問わず当熟の趣旨に(秩父病院だよりNo44―秩父花仁塾)に賛同するすべての医療人
入塾資格 志(こころざし)を持つ人
塾の活動
塾生には下記に付連絡します。随時参加して活動して下さい
1、 秩父病院が参加、関係する学会・講演会・勉強会・検討会・連携会等
2、 秩父病院の新年会・忘年会・歓送迎会・その他懇親会
3、 秩父病院が主催する病院旅行・スポーツ大会・渓流釣り大会・登山・ヨットクルージング・海フィッシング等のイベント
4、 メール等による当院および秩父郡市医師会への症例検討会への参加。
困った症例等に関しては症例検討会で真剣に検討します。また、随時、何時でも、科を問わず何でも、相談に応じます。緊急時は電話相談(病院:0494-22-3022、院長携帯:塾生にはお知らせします)にも応じます。
また、進路や将来の悩み等の相談もして下さい。
入塾の確認と完了
口頭での確認と下記の連絡方法が確認できれば完了です。書面は必要ありません。
入塾を希望する方は
自宅または郵送先住所、自宅電話または携帯電話番号、またはFAX番号、パソコンまたは携帯メールを下記の秩父病院花仁塾事務局までお知らせ下さい。共にプロとして、志を持って研鑽を積み、同時に幅広く人生を楽しみましょう。
連絡先
TEL 0494-22-3022(代表) (花仁塾事務局)
メール kajinjyuku@chichibu-med.jp
FAX 0494-22-3096
秩父病院院長・秩父花仁塾塾長 花輪 峰夫
平成27年10月1日 院内保育園「花の子ハウス」を開園しました。
概要 秩父市泉町20番
延べ面積 61.60㎡(一階、木造)
定員 10名
確認済証証明日 平成27年4月14日
院内保育所の整備はこの10年来考えていたことです。医師会で整備出来ないかとか、市立病院の保育施設を利用させてもらえないものかとか、それなりに検討、打診はしたこともありましたが、結局、落ち着くべき最良の結果になったと思っています。
第1に職員が働きやすい、特に女性に優しい職場への環境改善という意味合い、第2に医師を含む応募者に選ばれる病院の条件として、さらに第3として子供がいると職場が明るく活気がでる・子供効果をも期待しています。
また、近年、当院では職員の絶定数に不足はないものの、看護師始め職員は若い人達が多く、産休、育休等で夜勤が出来なくなる職員が増加して来ています。この施設が夜勤者確保に繋がると病院にも母親にもメリットは大きいと考えています。
ともかく、子供が多いと言うことはめでたいことであり、当院が地域の少子化への流れを少しでも緩やかにできれば本望であると思っています。
今後は出来うる限り良い保育施設、単なる託児所でなく、幼児教育にポリシーを持った、幼稚園を越える院内幼児教育施設として、発展させたいと考えています。
平成27年10月5日、秩父病院医療連携会を昨年に続き、農園ホテルにて開催しました。
医師会、歯科医師会、薬剤師会の先生方、久喜市長始め秩父市の職員、消防、さらに各医療機関のスタッフの方々等、200名近いご参加を頂きました。以下、連携会の内容を紹介します。
医療連携会配布資料 表紙
プログラム(pdf)
ごあいさつ①(pdf)
ごあいさつ②
私の「極端な専門医志向の弊害と対策・地域病院の役割」は今年6月の第40回日本外科系連合学会学術集会で発表したもので、すでに院長ブログ上にて紹介済ですので省きます。(2015年7月の「久しぶりに学会で発表しました。」をご参照ください。)
医師主導臨床研究のご紹介(pdf)
これからの秩父地域の口腔がんについて(pdf)
最後に秩父市立病院の勅使河原院長に、秩父市立病院の歴史、現状、市立病院が期待されていること、さらに、秩父地域の救急医療をはじめとする医療の全体像から今後の包括医療体制まで、秩父の医療全般にわたって、実に広範囲のご講演を頂きました。
引き続き行われた懇親会も多くの方々のご参加を頂き、和気あいあいとした中で、本医療連携の大きな目的の一つである緊密な懇親が図られました。
私としては良い連携会であったと自画自賛しております。
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今年(2015年)3月中旬頃、突然、母校の後輩でもある日本医科大学の消化器一般外科教授、内田英二先生より6月18、19日に東京で開催される第40回日本外科系連合学会学術集会に何か演題を出してほしいとの電話をもらった。内田先生が学会長を務めるとのことで、早速、守麻理子先生に「腹壁瘢痕ヘルニア術後再発症例に対し腹膜前パッチ被覆法が有効であった1例」の演題で応募するよう指示した。内田教授の教室には、すでに当院で研修を行った数人の初期研修医の先生方が入局して活躍している。また、2014年の秩父外科医会新年会に秩父にお出で頂きご講演をお願いしている。数日後、私にシンポジウムの演題発表と座長を務めてほしい旨の依頼があり、私は大変光栄に思い、お引き受けすることにした。しかし、シンポジウムのテーマは「外科系診療を取り巻く社会的問題」とのこと。何を話せば良いか困惑したが、色々と考えた結果、やはり私が普段より考えていること、と言うよりこの十年来頭にこびりついていることを訴えることとした。
以下が発表原稿であるが、演題発表の制限時間は発表7分、ディスカッション3分と短く、実際に発表したものは、この文章を五分の一位にそぎ落としたものです。
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発表も終わり、帰りの西武線特急の中で、今回の学会を振り返った。光栄なことに、学会前日の評議員会懇親会、加えて会場の京王プラザホテルの宿泊も招待とのことで、無銭飲食・宿泊であった。美味しいフルコースのフランス料理、ワインにも満足したが、学会長の内田英二先生、前教授で現日本医科大学学長の田尻孝先生始め多くの母校の先輩、後輩、他大学の先生達やその他の高名な先生方と歓談できた事は実に愉快であった。さらに、もう一つ感激したことがあった。それは三十数年前、私の学位取得の時大変お世話になった、当時日本医科大学第二外科学教室の主任教授であられた、庄司佑先生にお会いできたことである。先生は私のことを「花輪君か」と覚えていて下さった。頭脳清明、大変お元気であられた。
田尻学長や内田教授の挨拶で、この学会の最初の会長は初代日本医科大学第二外科学教室教授、あの斉藤漠先生、その後は庄司先生も務められたことを知った。そして今回の内田先生である。私のクラスは斉藤先生の講義を聞いた最後の学年であった。私は日本医科大学第二病院の外科に入局したが、この医局は第二外科の流れをくむものである。斉藤先生は学生にとっては大変怖い教授であり、日本の外科を背負って立っている憧れの外科医であった。斉藤先生の手術記録は正に芸術であった。なつかしい思い出に浸ることができた。
翌日の発表は言いたいことは伝わったと思っている。共同座長の先生はたまたま、今年の日本外科学会学術集会のディベートセクションで、私がフロアーから発言した時の座長であった。この時は、虫垂切除について「開腹か腹腔鏡か」の論戦形式の議論が行われ、「フロアーの中に看護婦さんと二人でアッペをやっていた時代の先生はいらっしゃいますか」との座長の誘導に、つい我慢できず手を挙げ、開腹・触診の重要さを訴えた。「手術とは正に字の通り、手はメス、手の平は鈎、指は精密なセンサー ・・・・」と。今回は私の発表について「長年実践をやってこられた花輪先生の心の叫びの発表でした」とのコメント、次演者の発言も「先生のおっしゃる通り」とのことで、構えていた私としては、肩透かしの感があったが、一方で、少し気合が入り過ぎていたのか、あるいは年齢のなせる圧力のようなものがあったのか、自分の年齢と立場を自覚した複雑な心境であった。一人二役の座長の方は若い先生方の励ましで終わった。
2014年11月27日のブログでご紹介した、「ドクターマガジン」という雑誌の巻頭「Doctor′s Opinion」。
その後、多くの医療関係者にお配りしたところ、様々なところから反響をいただいています。
その為、改めてリポストいたします。
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私は最近、大学等の極端な専門医教育と風潮とも言える医療内容に非常な違和感と危機感を持っていたので、遠慮なく自分の思うところを書いた。これも十分に還暦を過ぎないと言えないことである。タイトルは「総合医養成こそ地域病院の使命だ」とした。最近若い研修医と触れ合うようになって、医師の教育に興味を持つようになった。「地域医療に役に立つ医者を養成したい」これを私の医者人生の最終章のライフワークにしようと思っている。
『ドクターズマガジン』2014年12月号 巻頭「Doctor’s Opinion」のPDFはこちら
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平成26年11月29日
埼玉県県民健康センターで開催された第32回埼玉県外科集団会に田口亮先生(外科・毎週金曜日外来担当)、猿田高志先生(研修医・埼玉医科大学国際医療センター・当院での研修期間 平成26年8月1日~平成26年9月30日・平成26年12月1日~平成27年1月3日)が発表いたしました。
右)田口亮先生(外科・毎週金曜日外来担当)
左)猿田高志先生(研修医・埼玉医科大学国際医療センター・当院での研修期間 平成26年8月1日~平成26年9月30日・平成26年12月1日~平成27年1月3日)
田口先生は秩父出身で、埼玉医科大学国際医療センター胸部外科所属、現在同大学病院の消化器一般外科にて後期研修中でありますが、当院の非常勤医師でもあります。
演題は「肺小細胞癌の胆嚢管転移により胆嚢炎を呈した1手術例」
大変貴重な症例との評価でした。
猿田先生は同医療センターの初期研修医で、当院にて3か月間の地域医療研修中です。
演題は「胃噴門側背切除後残胃癌に対する胃全摘術の食道空腸吻合にDST-金属ワイヤー法が有用であった1例」
彼は本学会で唯一の初期研修医の発表であり、しかも最初のセクションの1番目の発表にもかかわらず、大変落ち着いた立派な発表でした。フロアーからの質問はありませんでしたが、座長の三吉博先生より、
「アンビルの挿入にさらなる工夫ができないか、腹腔鏡んい利用できないか、さらなる工夫を。埼玉県発の新しい手技であり、ますます磨いた下さい。」
とのご指摘をいただきました。彼はこれらに的確に答え、私の助けは必要ありませんでした。
『DST-金属ワイヤー法』は10年前に私が考案し、現在に至るまで29例施行していますが、食道吻合に難渋する症例にこそ威力を発揮する安全確実な手技で、縫合不全は1例もありません。私は結構気に入っています。腹腔鏡への応用は以前より検討していますが、今のところ経口アンビル以上に良い方策は考え付かない状況です。
二人の慰労を兼ねて、浦和の老舗のうなぎ屋さんで、今では希少となってしまった天然うな重を食べ、無事学会終了となりました。
平成26年11月30日
初冬 霧の秩父盆地
2014年11月22日 西武秩父発7時50分のレッドアロー号の車窓は正に秋満載の景色であった。赤や黄色の紅葉と杉の深緑のコントラストが朝日に映えて美しい。今日は待ちに待った、西伊豆への釣行である。10月は台風でダメ、11月の最初の連休も北風で満足な釣りは出来なかった。このところ忙しい日々が続いた。毎日2、3件の予定手術に加え、緊急手術がたくさんがあり、かなりストレスが溜まっていたので、病院から離れていくに従って、呼吸が楽になって行く感じがした。池袋で踊り子号に乗り換え、今度は左に見える相模湾の海を見つめながら、ウイスキーの水割りを飲みながら、何時になく過去と最近の出来事をゆったりと振り返った。
医者を始めて43年、今のところ現役を続け、忙しさと仕事内容は絶頂の感がある。常に前を向き、振り返らずやって来たが、そろそろ区切りをつけないと何もやれない年齢になってしまうと言う焦りもある。しかし、歳を取るということは、悪いことばかりではないのかも知れない。
最近、救急医療功労とのことで、厚生労働大臣から表彰された。これすなわち歳を取ったことの証であるが、自分が入れ込んできた救急医療が認められたとなれば、悪い気持ちはしない。有り難いことである。
昨年、埼玉県外科医会誌に「地方外科医のボヤキ・嘆き・呟き」というのを書いた。これも年を積み重ねそれなりの経験をしないと湧いてこないものであるが、これが結構受けて、今度は、「ドクターマガジン」という雑誌の巻頭「Doctor′s Opinion」の原稿を依頼された。私は最近、大学等の極端な専門医教育と風潮とも言える医療内容に非常な違和感と危機感を持っていたので、遠慮なく自分の思うところを書いた。これも十分に還暦を過ぎないと言えないことである。タイトルは「総合医養成こそ地域病院の使命だ」とした。最近若い研修医と触れ合うようになって、医師の教育に興味を持つようになった。「地域医療に役に立つ医者を養成したい」これを私の医者人生の最終章のライフワークにしようと思っている。
同時期、『月刊/保険診療』という雑誌のインタビューを受けた。インタビュー記事というのは、往々にして自分の真意が伝わらなかったりして、歯がゆい思いをすることも多いものだが、この記事には満足であった。客観性と言う面で、嫌味もなく、私が自分で書くより以上に、私の気持ちと言いたいことを十分に引き出してくれていた。この二編をブログに掲載し、ご理解とご批判を仰ぎたい。
釣果はまあまあであった。満足できたことは、46フィートの自船を初めてシングルハンドで操船したこと。まだしばらくは仕事も遊びも両立できそうである。
『ドクターズマガジン』2014年12月号 巻頭「Doctor’s Opinion」のPDFはこちら
医学通信社発行 『月刊/保険診療』 2014年11月号
コーナー「日本の元気な病院&クリニック」(p.2~p.5) 保険診療2014年11月号のPDFはこちら
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9月1日に秩父病院医療連携会を開催しました。ご案内を広く、医師会、歯科医師会、薬剤師会の先生方のみならず医療スタッフの方々、行政の医療関係者の方々等にさせて頂き、200名を越える方々のご参加を頂きました、
『地域で地域患者さんが十分な医療を受けられること』が私の夢であります。
それには、当地の医療機関、医療関係者全体が同じ目的意識を持ち、それぞれの役割を担い、全体として質の高い総合病院、あるいは、いわゆる地域包括ケアシステムの秩父バージョンを作りあげなければなりません。それぞれの医療機関等がそれぞれの機能を知り、当地域に足りないもの、可能なものを認識した上で、緊密な連携を取り合うことが必要です。その意味から、最初に当院から情報発信することとしました。
医療は進歩していますが、当院も同じように進歩しているつもりです。生意気なようですが、大学病院等より当院のほうが優れていると感じている所も多くあります。私はまだまだ多くの分野で『出来る』と思っています。なんでも遠方の大病院への紹介は残念でなりません。最近では、救急車による管外搬送も増加傾向で、年間約500人の患者さんたちが管外高次医療機関に運ばれています。少しでも地域完結を目指して、努力して行きたいと考えています。
今回特別講演に埼玉県保健医療部医療整備課長の小野寺亘(わたる)氏
をお招きし、『埼玉県における地域医療の課題と今後の方向性』という演題でご講演を頂くことができました。超高齢化を向かえる日本の医療も、病院の機能分担・地域医療ビジョンの策定が法制化されました。正にタイムリーで有意義な講演であったと思っています。
私がこの医療連携会に期待したことは、当院のアピールだけではありません。これを機に医療関係者の意識が活性化されることです。医師会、自治体病院、行政、当然当院の職員も、同じ目的に向かって進んでいくきっかけとなればと考えています。
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当日のプログラム
当院常勤医師・歯科医師紹介
大腸3D-CT(CTC)の紹介
大野外科部長 当院の内視鏡外科手術について
長谷川歯科部長による当院歯科の紹介
小野寺亘氏による特別講演
200名を超える方々にご参加いただきました。
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