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花輪理事長の独り言

「総合医養成こそ地域病院の使命だ」

2014年11月27日のブログでご紹介した、「ドクターマガジン」という雑誌の巻頭「Doctor′s Opinion」。

その後、多くの医療関係者にお配りしたところ、様々なところから反響をいただいています。

その為、改めてリポストいたします。

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私は最近、大学等の極端な専門医教育と風潮とも言える医療内容に非常な違和感と危機感を持っていたので、遠慮なく自分の思うところを書いた。これも十分に還暦を過ぎないと言えないことである。タイトルは「総合医養成こそ地域病院の使命だ」とした。最近若い研修医と触れ合うようになって、医師の教育に興味を持つようになった。「地域医療に役に立つ医者を養成したい」これを私の医者人生の最終章のライフワークにしようと思っている。

 

『ドクターズマガジン』2014年12月号 巻頭「Doctor’s Opinion」のPDFはこちら

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第32回埼玉県外科集団会

平成26年11月29日

埼玉県県民健康センターで開催された第32回埼玉県外科集団会に田口亮先生(外科・毎週金曜日外来担当)、猿田高志先生(研修医・埼玉医科大学国際医療センター・当院での研修期間 平成26年8月1日~平成26年9月30日・平成26年12月1日~平成27年1月3日)が発表いたしました。

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右)田口亮先生(外科・毎週金曜日外来担当)

左)猿田高志先生(研修医・埼玉医科大学国際医療センター・当院での研修期間 平成26年8月1日~平成26年9月30日・平成26年12月1日~平成27年1月3日

田口先生は秩父出身で、埼玉医科大学国際医療センター胸部外科所属、現在同大学病院の消化器一般外科にて後期研修中でありますが、当院の非常勤医師でもあります。

演題は「肺小細胞癌の胆嚢管転移により胆嚢炎を呈した1手術例」

大変貴重な症例との評価でした。

猿田先生は同医療センターの初期研修医で、当院にて3か月間の地域医療研修中です。

演題は「胃噴門側背切除後残胃癌に対する胃全摘術の食道空腸吻合にDST-金属ワイヤー法が有用であった1例」

彼は本学会で唯一の初期研修医の発表であり、しかも最初のセクションの1番目の発表にもかかわらず、大変落ち着いた立派な発表でした。フロアーからの質問はありませんでしたが、座長の三吉博先生より、

「アンビルの挿入にさらなる工夫ができないか、腹腔鏡んい利用できないか、さらなる工夫を。埼玉県発の新しい手技であり、ますます磨いた下さい。

とのご指摘をいただきました。彼はこれらに的確に答え、私の助けは必要ありませんでした。

 

DST-金属ワイヤー法』は10年前に私が考案し、現在に至るまで29例施行していますが、食道吻合に難渋する症例にこそ威力を発揮する安全確実な手技で、縫合不全は1例もありません。私は結構気に入っています。腹腔鏡への応用は以前より検討していますが、今のところ経口アンビル以上に良い方策は考え付かない状況です。

二人の慰労を兼ねて、浦和の老舗のうなぎ屋さんで、今では希少となってしまった天然うな重を食べ、無事学会終了となりました。

 

平成26年11月30日

初冬 霧の秩父盆地

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歳を取るということは、悪いことばかりではない・・・

2014年11月22日 西武秩父発7時50分のレッドアロー号の車窓は正に秋満載の景色であった。赤や黄色の紅葉と杉の深緑のコントラストが朝日に映えて美しい。今日は待ちに待った、西伊豆への釣行である。10月は台風でダメ、11月の最初の連休も北風で満足な釣りは出来なかった。このところ忙しい日々が続いた。毎日2、3件の予定手術に加え、緊急手術がたくさんがあり、かなりストレスが溜まっていたので、病院から離れていくに従って、呼吸が楽になって行く感じがした。池袋で踊り子号に乗り換え、今度は左に見える相模湾の海を見つめながら、ウイスキーの水割りを飲みながら、何時になく過去と最近の出来事をゆったりと振り返った。

医者を始めて43年、今のところ現役を続け、忙しさと仕事内容は絶頂の感がある。常に前を向き、振り返らずやって来たが、そろそろ区切りをつけないと何もやれない年齢になってしまうと言う焦りもある。しかし、歳を取るということは、悪いことばかりではないのかも知れない。

最近、救急医療功労とのことで、厚生労働大臣から表彰された。これすなわち歳を取ったことの証であるが、自分が入れ込んできた救急医療が認められたとなれば、悪い気持ちはしない。有り難いことである。

昨年、埼玉県外科医会誌に「地方外科医のボヤキ・嘆き・呟き」というのを書いた。これも年を積み重ねそれなりの経験をしないと湧いてこないものであるが、これが結構受けて、今度は、「ドクターマガジン」という雑誌の巻頭「Doctor′s Opinion」の原稿を依頼された。私は最近、大学等の極端な専門医教育と風潮とも言える医療内容に非常な違和感と危機感を持っていたので、遠慮なく自分の思うところを書いた。これも十分に還暦を過ぎないと言えないことである。タイトルは「総合医養成こそ地域病院の使命だ」とした。最近若い研修医と触れ合うようになって、医師の教育に興味を持つようになった。「地域医療に役に立つ医者を養成したい」これを私の医者人生の最終章のライフワークにしようと思っている。

同時期、『月刊/保険診療』という雑誌のインタビューを受けた。インタビュー記事というのは、往々にして自分の真意が伝わらなかったりして、歯がゆい思いをすることも多いものだが、この記事には満足であった。客観性と言う面で、嫌味もなく、私が自分で書くより以上に、私の気持ちと言いたいことを十分に引き出してくれていた。この二編をブログに掲載し、ご理解とご批判を仰ぎたい。

 釣果はまあまあであった。満足できたことは、46フィートの自船を初めてシングルハンドで操船したこと。まだしばらくは仕事も遊びも両立できそうである。

『ドクターズマガジン』2014年12月号 巻頭「Doctor’s Opinion」のPDFはこちら

医学通信社発行 『月刊/保険診療』 2014年11月号
コーナー「日本の元気な病院&クリニック」(p.2~p.5) 保険診療2014年11月号のPDFはこちら

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9月1日医療連携会【配布パンフレット(PDF)掲載】院長ブログ

9月1日に秩父病院医療連携会を開催しました。ご案内を広く、医師会、歯科医師会、薬剤師会の先生方のみならず医療スタッフの方々、行政の医療関係者の方々等にさせて頂き、200名を越える方々のご参加を頂きました、

『地域で地域患者さんが十分な医療を受けられること』が私の夢であります。

それには、当地の医療機関、医療関係者全体が同じ目的意識を持ち、それぞれの役割を担い、全体として質の高い総合病院、あるいは、いわゆる地域包括ケアシステムの秩父バージョンを作りあげなければなりません。それぞれの医療機関等がそれぞれの機能を知り、当地域に足りないもの、可能なものを認識した上で、緊密な連携を取り合うことが必要です。その意味から、最初に当院から情報発信することとしました。

 医療は進歩していますが、当院も同じように進歩しているつもりです。生意気なようですが、大学病院等より当院のほうが優れていると感じている所も多くあります。私はまだまだ多くの分野で『出来る』と思っています。なんでも遠方の大病院への紹介は残念でなりません。最近では、救急車による管外搬送も増加傾向で、年間約500人の患者さんたちが管外高次医療機関に運ばれています。少しでも地域完結を目指して、努力して行きたいと考えています。

  今回特別講演に埼玉県保健医療部医療整備課長の小野寺亘(わたる)氏

をお招きし、『埼玉県における地域医療の課題と今後の方向性』という演題でご講演を頂くことができました。超高齢化を向かえる日本の医療も、病院の機能分担・地域医療ビジョンの策定が法制化されました。正にタイムリーで有意義な講演であったと思っています。

 

 私がこの医療連携会に期待したことは、当院のアピールだけではありません。これを機に医療関係者の意識が活性化されることです。医師会、自治体病院、行政、当然当院の職員も、同じ目的に向かって進んでいくきっかけとなればと考えています。

秩父病院医療連携会パンフレット.pdf

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当日のプログラム

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当院常勤医師・歯科医師紹介

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大腸3D-CT(CTC)の紹介

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大野外科部長 当院の内視鏡外科手術について

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長谷川歯科部長による当院歯科の紹介

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小野寺亘氏による特別講演

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200名を超える方々にご参加いただきました。


レジナビフェアに参加

6月15日、東京ビックサイトで開催されたレジナビフェア2014 for Resident in東京に初めて参加しました。会場は日本全国より大学病院をはじめ有名病院が参加し、約300施設と多数の病院が参加していました。

レジナビHP内、秩父病院紹介ページはこちらから≫

当院は、ちちぶ医療協議会の1病院として、秩父生協病院と一緒に参加しました。

当院の医師育成ポリシーである、

『地域医療を担うことのできる医師、すなわち、専門性を併せ持った総合医の育成』をキャッチフレーズに、

具体例として

1、   日本外科学会・日本消化器外科学会専門医の取得と外傷外科・整形・形成外科等の

   基本的知識と技術習得による、一般外科医の育成

2、   日本消化器病学会・日本消化器内視鏡学会・日本プレイマリ・ケア学会認定家庭医の

   取得を基礎とした、総合診療内科医の育成

を掲げ、また、日本外科学会定期学術集会で発表した『地域の外科医療を支えるための当院の取り組み』をポスター展示し、研修医の先生方に訴えました。

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折しも、ワールドカップ、日本対コートジボアール戦があり、この影響か?後期研修医の先生方の参加が例年より少なかった様ですが、当院のブースには5名の先生方が来られました。地元秩父出身の方も2名おり、今後の経緯が期待されます。当院よりは救急対応に対するテーマディスッカッションにパネリストとして、山田正己先生が参加しました。

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今回、参加の準備から始まり、実際に参加してみて、大学病院等では出来ない、当院ならではの医師育成の可能性を改めて実感した次第です。


第114回日本外科学会定期学術講演会で学会発表を行いました

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2014年4月3日京都で開始された上記学会に大野哲郎先生が『地域外科医療を支えるための当院の取り組み』という演題で発表しました。

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内容は医師の確保が根本で、そのための方策として、若い医師にとって魅力ある病院となることが重要であり、当院が行っている様々な取り組みを紹介しました。また目標は当院のポリシーである『地域医療に役に立つ医師の要請』であることをアピールしました。聴講された先生方よりの質問も多く、有意義な議論が行われました。

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~特別講演~

 山中伸弥教授による  『iPS細胞研究の現状と再生医療に向けた取り組み』

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埼玉県外科医会学術講演会が開催されました

平成26年3月8日、秩父外科医会が企画運営し『地域医療における外科医と総合医』というメインテーマで講演会が開催されました。

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内外より100名を越す多くの先生方が参加され、講演会後の懇親会も極上ワインに酔いしれ、大変な盛り上がりでありました。その内容を簡単にご紹介します。

 

1、 基調講演  前慶応義塾大学病院長 相川直樹先生

   『地域医療における外科医と総合医』

相川先生は日本の救急医療、感染症、ショック等の第1人者です。また、アメリカ、カナダの日本大使館のメディカルアドバイザーや医師国家試験や医道審議会の委員長等、国の医療行政にも深く関与している先生です。広い見識から、近年大きく変貌した外科全般の状況を明確に指摘し、地域医療における今後の外科診療について大きな示唆を頂きました。

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2、教育講演  日本医科大学総合診療科教授 安武正弘先生

   『日本医科大学における総合診療科の役割』

安武先生は同大学の総合診療科最初の大学院教授で、専門は循環器疾患 ですが、大学病院における総合医の役割について、総合医育成を含め、専門医の視点からのご講演を頂きました。

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3、特別発言  秩父外科医会員  南須原医院 南須原宏樹先生

   『在宅での麻酔科的緩和医療』

在宅医療の現場のご講演を頂きました。先生は麻酔科専門であり、在宅 における緩和医療等のご講演を頂きました。 

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4、特別講演 元内閣府・厚生労働事務次官、前人事院総裁 江利川毅氏

  『霞ヶ関(政と官)のよもやま話』

江利川氏は国の重要ポストを三度努め、国の行政に広く関わっている方で です。今回、氏の多くの知見の中から、貴重な内容のご講演を頂きました。

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5、総括発言 埼玉医科大学名誉教授 尾本良三先生

尾本先生は心臓外科医として有名な方ですが、総合外科医の元祖とも言え るスーパードクターであります。先生よりは、「素晴らしい講演会であった」とのお褒めの言葉を頂きました。

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~懇親会~

本強矢先生のご協力により、高級フランスワインをご準備頂き、『秩父ワイン会』が行われました。

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秩父屋台ばやしの演奏とワインが場を和ませ、あちこちで笑いと楽しそうな会話が生まれていました。多くの方が本当の懇親が出来たのではと、企画運営した我々も満足しています。

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大雪の影響

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2月14日から降り始めた雪は経験したことのないものでした。北国や雪山ではいっぺんに1m以上降ることも珍しくはありませんが、秩父でこんなに降ったことはありません。しかも、おも~い雪が1日で1m以上積りました。私は学生時代、山岳部、スキー部でありましたので、ヘリポートの横のお社、移植した梅の木が心配で、雪落としのために雪の中に踏み込みましたが、わずか20mの場所に行き着くのに、30分かかりました。ラッセルした深雪の底は青くすんでとてもきれいでした。

DSC02827@.JPGしかし、そんなのんきなことを言っていられない状況でした。普段の環境がいかに恵まれていたかが良く分かりました。

DSC02817.JPG救急車は病院まで辿り着けず、1km程そりでの患者搬送でした。

DSC02820.JPG患者の給食食材の配送が来なくなり調達に出かけました。

給食は給食スタッフのお蔭で、通常通り何事もないように提供されました。

病院スタッフは遠いものでは、長瀞、小鹿野より雪の中を5時間もかけて徒歩で病院に来てくれました。驚きを通り越し、感激しました。当院のスタッフは正に医療職のプロと言っていいと誇りにおもいました。

DSC02748.JPGDSC02727.JPG防災ヘリの着陸要請もあり、急遽、総出でヘリポートを除雪しました。大変なエネルギーでした。今、除雪機を一台発注しました。届くのが楽しみです。

DSC02863.JPGDSC02878.JPG病院はどんな時でも平常通り続けることが大切です。今回も3年前の大震災の時と同様に、どうにかそれを維持できました。孤立状態になった時こそ役に立つヘリポートもいつでも準備OKです。

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1年の締め括りに・・・

12月30日 餅つきをしました。職員の昼食には、収穫したばかりの赤蕎麦のもり蕎麦と、つきたてのお餅を出すことが出来ました。皆さんご苦労さんでした。

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旧秩父病院への想い

早いもので、当院が宮側町からこの場所に移転してより2年9か月となる。熟慮の末、旧病院の建物は解体することにした。様々な思い出が詰まった病院の解体は未練もあり、寂しいことではあるが、空き家となった病院をただ見ていることも忍びないことである。

せめて、恐らく100年以上の間、秩父病院を見守って来たであろう木々だけは生き続けてもらいたいと思った。私が子供の頃はもっと大きかった木蓮、その頃も今と変わらない老木であった、皮だけで立っている梅の木。それと長女の誕生記念に植えた桜の木や中庭にあった木々。これらを12月の初旬に和泉町の新しい病院の敷地内に移植した。新しい地に根ざしてほしいと願っている。

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プロフィール
秩父病院理事長 花輪 峰夫

秩父病院理事長 花輪 峰夫

人と人との触れ合い医療を実践し、患者さんから信頼され、スタッフが気概を持って、地域に貢献できる病院を目指します。

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