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院長ブログ

新型コロナウイルス感染・第9報(2021年5月10日)

コロナ災害・戦争、ワクチン1000人接種プロジェクト

コロナ禍は、もはや地球規模災害です。あるいは、人類とコロナとの戦争といっても過言ではありません。しかしなから、日本では臨戦態勢とは程遠い感があります。

三度目の緊急事態宣言、蔓延防止法は発せられましたが、コロナ収束には、ほとんど役に立たないことがわかりました。

当院では、3月から医療従事者への先行接種を始めましたが、ワクチン不足で、2回の接種が終了するのは、7月3日の予定です。5月に入り、秩父にも、多量?の高齢者接種用のワクチンが揃いそうです。やっとチャンスが来ました。今こそ、ワクチンという武器でコロナと戦う時と思います。

当院では引き続き医療従事者への接種と並行して、高齢者への接種を行なっていきます。加えて、ワクチンが整い次第、6月の日曜日から、1日500人、3週後の日曜日よりは、1日1000人の接種を始める予定で準備中です。必ずやりとげるつもりです。これは私と秩父病院の意志であり、医療者のすべてが持つべき意識と思っています。

当院のチャレンジが全国の医療機関に広がることを願っています。

 

ところで、この戦略を実行するにあたり、あまりにも多くの障害があることを知りました。法律、規則、既成概念、縦割り制度、命令系統・責任体制・ワクチン接種システムの不備、リーダーシップの欠如、等々です。そして何より問題なのは、『なんでも遅いこと』です。これは致命傷になります。戦時には全くフィットしません。国民を含め、医療者、特に行政、医師会の意識改革、柔軟な思考が絶対に必要です。ワクチン接種が遅いほど状況は加速度的に悪化するでしょう。

 

「接種者がいない。場所がない」といいます。果たしてそうでしょうか?

「それは出来ない」そんなことはありません。「やるか、やらないか」です。戦争ですから「やるしかない」のです。

 

当院はすでに歯科医師に対しワクチン接種の研修を行っています。秩父郡市歯科医師会からは十数名の有志の先生方がワクチン接種への参加を表明して下さっています。

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今は、国をあげて、最大限のエネルギーをワクチン接種に傾注する時です。

今こそ我々日本人の資質が試されます。

 


新型コロナウイルス感染・第八報・ワクチン接種(2021年3月15日)

1月7日に発令された緊急事態宣言は、東京、埼玉・神奈川・千葉県では、当初解除予定であった3月7日を過ぎても、さらに2週間延長され、いまだに解除されていません。宣言発令後、感染者数は減少傾向ではありましたが、変異ウイルスの感染が危惧される中、下げ止まりが続き、3月14日現在ではむしろ若干の増加傾向であります。

一方で、ワクチンの調達はなかなか進まず、報道を見る度に、期待と焦りと不安、やや諦めすら感じていました。

そんな中、三度目の正直と言いましょうか、やっと『3月11日』当院にワクチンが到着しました。

ただ、その量は、僅か1箱、(195バイアル・975回分)のみであります。

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従って、当初予定していた医療従事者のすべてへの接種は不可能であり、大幅に削減せざるを得ませんでした。

しかし、とにもかくにも、秩父でも『3月12日』待望のワクチン接種が始まったことは大きな前進です。

この約1か月で様々な変更や問題がありました。ワクチンの保管等の緩和(超低温冷凍庫でなくとも5日間以内であれば保管可能)で当院より他の病院へワクチンの小分けが可能となったこと。一般の接種用注射器では1バイアルで5人分しか接種できないが、専用のものなら6人可能である、等々です。

テレビ等の報道では、ワクチンの日本への供給は、WHOの発展途上国優先発言、EUの許可が下りない等、思わしくない内容ばかりでした。実際、ワクチンの秩父への配給の時期も二転三転し、先の見通し、計画が全く立たない状態が続きました。

3月12日に当院で開始された、秩父地域で最初のワクチン接種は、小分けが可能となったこともあり、当初予定していたより、各段に接種者が少なく、3日間の接種は余裕をもって終わりました。副反応については、インフルエンザワクチン接種よりは接種時の痛みは殆どないものの、翌日の痛みは強い、頭痛、全身倦怠感、眠気は多い様です。数名は頭痛と胸部の違和感を訴え、念のため病室での経過観察を行い、1名は発疹と喉の違和感があり、アナフラキシーとして点滴ラインを確保し、ステロイドと抗ヒスタミン剤の投与、モニターリングを行いました。幸い、アドレナリンを使用するほどの重症ではなく、ほどなく改善しました。当院では、当然、アナフラキシーショックに対し、万全の体制を整えましたので、想定内でありましたが、今後の医療施設やそれ以外で行う集団接種、個別接種でも万全の準備体制は必要と考えます。

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当初、医療従事者3000人、2回で計6000回の接種に備えて様々な準備をしました。駐車場の土地の確保と整備から始まり、場所とスタッフ確保の為に人間ドックを中止、会場の養生、密にならない接種者の流れの工夫、等々を真剣に行いました。

今回、最初の接種をスムースに終え、一安心、少し気の抜けた感じですが、まだ初回接種者に対する2度目のワクチンの到着予定は確定していません。

先日、河野太郎大臣はワクチン供給に明るい見通しを語りました、これが確実に実行されることを祈るばかりです。

明日(3月16日)より地域4病院に対しての小分け作業が始まります。今回の副反応等の経験は詳細にお伝えするつもりです。

その後の二回目の接種、初回に接種できなかった医療従事者への接種、老人施設や高齢者への接種と、まだまだこれからですが、慎重かつ確実に当院の役割を果たして行くつもりです。

今回、秩父臨床医学研究所よりスタッフの応援を頂きましたことに感謝申し上げます。


新型コロナウイルス感染・第七報(2021年1月28日)

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昨年10月に第六報をアップした時と状況は一変しました。1月28日現在、秩父郡市での感染者の累計は150名を超えました。しかも毎日増え続けています。

現在日本は、第3波の渦中です。令和2年末より、令和3年の正月にかけ感染者が急増、1月7日には、東京や周辺県等に二度目の緊急事態宣言が発令され、現在11都道府県に広がっています。今や都会から地方への感染拡散の様相で、秩父地域も今年になって、特に1月中旬より激増しています。全国では私が最も心配していた、病院や老人施設で多数のクラスターが発生しています。残念ながら、当地でも老人施設で多数の感染者がでました。 

当院では院内感染は起きていません。絶対に院内での感染者を出さない覚悟と、徹底した感染防護体制を取り、通常の診療を守りながら、コロナ疑い患者さんの検査、感染者の入院治療を行っています。従って、日々緊張の毎日です。

最近では当院の感染病床は常に満床で、退院するとすぐに、県より感染者の入院要請が入って来ます。全国的に感染病床数は不足し、現在では、軽症者はホテルか自宅療養を余儀なくされる状態です。しかし、自宅療養中に悪化する患者さんも多数おられるようです。当院は埼玉県からの要請に応え、中等症以下の患者さんをお引き受けしていますが、最近では、軽症者は少なく、多くは肺炎を併発、又は酸素吸入が必要な患者さんです。入院中に重症化した時は大学病院等の専門病院へ転院が必要となりますが、重症者の治療ができる医療機関は多くはなく、病床も逼迫しているというのが実情です。当地域を振り返ってみると、当院を含む3病院で、中等症以下の入院病床が21床あるだけですが、どの病院もすでに満床状態です。これ以上、老人施設や、よしんば病院等で集団感染が起こったことを考えると「なす術」なし、恐ろしいことです。

現状、新型コロナの特効薬がない今、希望はワクチンのみでしょう。

当院は埼玉県からワクチン接種協力医療機関に決まりました

国は、ワクチン接種について、順番を決め、まず最初に医療従事者から接種を始め、順次高齢者から、一般の国民に接種する方針です。当院は秩父地域の医療従事者推定3000人に2回、計6000回の接種を行う予定で準備中です。

現在、人(接種スタッフ)、場所、方法を熟慮中ですが、必ずやり遂げる覚悟でおります。期間は2月末から開始とのことと聞いています。6週間で完了の予定で準備しています。(尚、この間、場所とスッタッフは人間ドックのスペースと人材が当たらざるを得ず、当院人間ドックは休止となります。3月に検診予定であった方々には、ご無理をお願いいたしましたこと、お詫び申し上げます。順調に接種が完了すれば、4月初旬には再開しますので、ご理解の程お願い申し上げます)

 

一般的にワクチンは、個々の人に十分な効果があったとしても、公衆衛生的・全国的な感染予防効果は、いかに多くの人が接種により免疫を獲得できるかに掛かっています。

世論調査によると、接種したくない人が約40パーセント、接種したい人が35パーセント、その他わからない、とのことです。

 

残念ながら、今のところ、この新しく開発されたワクチンはまだまだ不明瞭な部分が多くあります。

例えば、①発症を抑える ②重症化を防ぐ などは言われていますが、③自身が感染しないか(免疫を獲得できるか)④人に感染させないか(感染力)、などは分かっていないようです。しかし、それは当然と言えます。なぜなら、あまりにも急速に開発。製造され、従来のワクチンと比べ十分な臨床試験を経ないまま、さらに、まだ実際にほとんど行われていないのですから。

ただ報道によれば、イスラエルは国民の30%に接種でき、実際の感染者数は減少傾向とのことです。もう一つ報じられているのは、副反応は多くは注射局所の腫れ、発赤、痛み、頭痛、倦怠感などで、アナフラキシーショックは10万〜9万人に一人とのことです。死亡者は報告されていません。

 

もちろん当院では、酸素吸入、ステロイド、アビガン、レムデシビル等の入院加療を行なっています。しかし、

最も確実なことは、今のところ、私たちには新型コロナに立ち向かう強力な武器がありません。特効薬が無いということです。私は、これに期待をかけるしか無いと考えます。

 

ただ怖い怖いと恐れおののき、他の国の結果を何もせず見ていて良いのでしょうか?もしそうなら、自分の事しか考えない情けない国民とみられても仕方がありません。本当に悲しいことです。 無知・他人事として無関心でいられる時期は過ぎました。

欧米諸国等の実情をニュースで知るにつけ、最近の日本の状況を見ても、さらに実際に感染患者さんの診療を肌で感じている私には、何もしないと言う選択肢はありません。

もう、人ごとではありません。あなたが感染し、重症化しても、早晩、診療・入院すらできなくなるでしょう。

 

真っ先に医療従事者に接種する機会を与えられたことは、秩父病院として大変名誉なことであり、私個人としては、医療者としての本望でもあります。また、医療従事者が最初の接種者としたことは重要な意味があると考えます。①医療従事者は感染のリスクが高い ②なので、医療の人材を守り医療を崩壊させない ③医療者こそ現状が理解でき、適切な選択が可能 ④なので、医療者なら高率に接種を受け、ワクチン接種自体に弾みがつく。

仮に、医療従事者が30パーセントしかやらなかったら、一般の人はほとんど接種しないことになるでしょう。その結果、接種率とワクチンの効果は格段に落ちるでしょう。医療者の責任は極めて重大であります。

当院はワクチン接種に際し、完璧な体制で臨みます。薬物・造影剤・食物・蜂刺され等によるアナフラキシーショックに対する対処は、私を含め、スタッフの得意分野であります。救急病院として、何ら躊躇や恐れることではありません。

 

私自身は多少の基礎疾患はありますが、迷わず一番最初にワクチン接種を行います。

当院は130人の職員の99パーセントが接種予定です。

コロナに打ち勝つには、感染予防も含め、私たち自身が戦う以外ありません。

 

昨年の初期に患者さんから、大量のマスクをいただきました。先日は、秩父郡市歯科医師会の平沼清史会長より、看護師に激励のお花をいただきました。本当にありがたく、心にしみました。ありがとうございました。

尚、当院はスタッフが充足次第、感染病床を増床すべく、特別病室の改装を行っています。

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※ 写真は当院に入院中に重症化した患者を専門病院に転送するときの写真です。


新型コロナウイルス感染・第六報(2020年10月21日)

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2020年5月9日に第一報を院長ブログにアップしてより今回は六回目となります。その頃の当院の庭はポピーが満開でありましたが、その後ニッコウキスゲに代わり、今はコスモスが咲き誇り、もうカエデが色好き始めています。振り返れば、中庭に福寿荘が咲いていた2月よりの長いコロナとの戦いでありました。しかし、まだまだ終わっていません。

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第五報(2020年8月1日)をアップした当時より現在まで、コロナの関する様相は刻々と変化して来ました。

秩父地域でも夏に多くの感染者が出ましたが、その後も散発的に発生し、2020年10月21日現在は38名を数えます。東京や全国の発生状況もくすぶり続け、今や、日本の感染者は94000人を超え、死者も1600人を超えています。(10月20日・NHK)世界の感染者は4000万人を、死者112万人を超えました(10月21日・ジョンス・ホプキンス大学のまとめ)で、一向に収まる気配はありません。欧州やアメリカ等では再燃傾向で、特にイタリアとフランスは1日の感染者数が過去最高を記録したとのこと、再びロックダウンも必要な情勢です。

 

昨今の新型コロナウイルス感染に対する社会状況は「感染防御か経済か?」が大きな問題になっています。県境をまたぐ移動の自粛が解除され、イベントの観客数の緩和、Go to Travel・Eatなどが実施されるようになりました。国外との人の行き来も少しずつではありますが始まりました。

一方で、感染者は都会のみならず、全国に広がり、夜の街に止まらず、家庭、職場、学校等にまで広がり、さらに感染経路が分からない感染者も増えています。

ホテルや旅館、居酒屋やレストラン、観光施設等では経営困難に陥る施設が多発しています。誰しも食べていかなければなりません。規制、自粛の解除は致し方ない方向ではあります。しかし、この結果、感染が増大すれば、再びの自粛、規制強化が必要となり、悪循環に陥ります。世界規模で閉塞感が漂っているように感じます。

感染をある程度抑えながら、経済も復活させる。考えても考えても答えの出ない難題であります。

 

一方、今までの経験・知見から、新型コロナ感染症の特徴が分かってきました。

1、感染力が強い 2、感染リスクの避け方 3、感染しやすい環境(密閉、密接、密集)、 4、持病を持った高齢者、肥満体質の患者は重症化し易い 5、若者は無症状者や発症しないものも多い 6、飛沫感染が多い・換気がより重要、等々です。

また、日本人が欧米諸国等に比べ感染率や特に死亡率が低いことについても様々な推測がなされています。

 

私なりの考えを以下に書き綴ります。

まず、感染対策として、我々が社会人として出来ることは、第一に、『三密を避ける、加えてマスク着用、手洗を徹底すること』つまり『コロナ禍のマナーを守ること』であります。新型コロナウイルス感染の特徴をよく知り、『感染しない、感染させない』ことが唯一我々にできる行動であると考えます。

第二に、「そのうえで、必要以上にコロナを恐れず、引き籠らず、積極的に従来の生活と行動を取り戻すよう心掛けること」と思います。この二つが感染抑制と経済再生のための唯一の処方箋と考えます。

 

では我々医療機関にできることは何でしょう。

まず、病院の院長として、最も恐れるのはやはり院内感染であります。

発熱がないから安心というわけではありません。感染者はどこにいるか分からないのです。無症状者、軽症者といえども、他人に感染させることもあるのです。100%感染を防ぐことはできません。仮に、無症状の感染者が、手術や他の疾患、外傷等で入院したとして、お年寄りが多い入院患者に感染すれば、その結果は、考えるだけでも恐ろしいものです。

 

また、その他の問題として、このコロナ禍で医療機関への受診抑制が起こっていることも問題です。コロナ患者に積極的に対処している医療機関、特に感染者の入院を受け入れている医療機関程この傾向は強く、経営に支障を来たしている所もあるとのことです。さらに、風評被害や医療者への偏見・差別や誹謗すらあるという話を聞きます。これが事実とすれば、本当に悲しいことです。

また、症状があるのに、感染が怖いとの理由で病院に行くのをためらい、早期発見・早期治療を逃してしまうことがあるとしたら、これも大問題です。何も新型コロナだけが病気のすべてではありません。本末転倒と言わざるを得ません。これも一つの医療崩壊と言えます。

 

話を戻し、当院がやってきたこと、やるべきことをお話しします。

現在、埼玉県の感染状況はフェーズ3に止まっており、現状の当院の新型コロナウイルス感染者に対する受け入れは5床、フェーズ4に備え、7床の体制を整えています。

夏の一時期は保健所からの依頼の濃厚接触者に対する抗原及びPCR検査件数は大幅に増えました。ほかに医師会員よりの依頼であるPCRセンターとしての検査、当院の発熱外来としての検査、加えて、緊急・予定入院患者さんに対する検査は毎日行われており、2020年10月20日現在、抗原検査479人、PCR検査921人計1400件を超えます。

一時期は保健所の要請により、何人かの感染者に対し入院加療もおこないましたが、幸い皆元気に退院出来ました。これらの経験から、院内の感染対策は日に日に充実して来ていると自負していますが、常に不安を感じつつ日常の診療を行っているというのが現実です。

冬に向かって、インフルエンザとのダブル流行が懸念されています。

それでも当院は地域病院の使命として、今までと変わらず、新型コロナウイルス・インフルエンザに対処して行こうと考えています。

 


秩父メディカルフィットネス

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現在、秩父神社に隣接する、旧秩父病院の「健康管理ビル」がリニューアル中で、

「秩父メディカルフィットネス」という健康増進施設に生まれ変わります。

11月末に完成し、来年(令和3年)2月より開業とのことです。

 

私は、現在まで半世紀近く秩父の医療に関わり続けてきました。この間、多くの患者さんを診察させていただき、同時に数えきれない程の手術も執刀させて頂きました。

その中で、何時も私の心の中で、気になっていたこと、残念に思っていたことがあります。

それは、当地域には『進行がんや末期がん』の患者さんが多い、ということです。手術で治せない方がいかに多いことか、外科医として、医師として、痛恨の極みであります。

 

当院は、34年前の昭和61年に、人間ドックを開始、翌年に「健康管理ビル」を増設し、「早期発見・早期治療」を目指し、検診内容の充実を図って来ました。これらは、病院移転後も変わらず続け、一病院として出来ることは精一杯行ってまいりました。

しかし、この「進行がんや末期がんが多い」という傾向は今でも変わっていません。秩父市ではがん検診の受診率は低く、がんを含む生活習慣病への啓蒙は未だ不十分であります。ましてや、医学的根拠を持った「予防の実践」は当地域ではほとんど行われていないと思われます。

 

今回、「秩父メディカルフィットネス」の開業に伴い、当院がこの施設と連携することによりこれが可能になります。具体的には「病院の医師・保健師・看護師・栄養士等」と「施設の健康運動指導士・トレーナー等の各専門指導者」が一体となって個人の健康増進を実践指導することができるようになるのです。

 

当院は130年近く、市の中心地で診療を続けてきましたが、10年前に移転しました。しばらくの間、地元の人たちの要望に応えるべく、旧病院の一部で、クリニックを開設していました。しかし、諸事情により閉院を余儀なくされ、その後病院建物本体は解体され、今は駐車場となっています。

かろうじて残った「健康管理ビル」も一時は解体を考えましたが、今回、別組織での運用が決まり、健康増進施設に変わります。これは私にとって大変感慨深いものでありますが、同時に念願であった、「検診から予防」への進化とも思え、「健康管理ビル」としての本来の目的を実践する絶好の機会と感じます。

疾病治療、検診に加え、私の長年の夢であった、「予防医療」が現実のものとなりそうです。

 


新型コロナウイルス感染・第五報(2020年8月1日)

秩父地域の新型コロナウイルス感染者は初期に2名が確認されていたが、その後は一人も発生せず、平穏でありました。しかし、7月下旬に久々に感染者が出ると、7月末までの短期間に、秩父市で16人、皆野町で2人の感染者が発表されています。(8月1日の読売新聞朝刊)これは10万人に対し18人という東京都等より高率な数字です。

最近の当院の様相も一変しました。毎日10件~30件のPCR・抗原検査が行われています。7月に入ってより、全国的には、東京を中心に大都市圏では第2波・3波の発生が危惧されていたが、今日現在では、地方に広がり、秩父地域もその渦に巻き込まれつつあります。

当地域では正に第1波の始まりと言えます。

 当院における新型コロナウイルスに対する検査の種類、受診のタイプは様々であります。

1、「帰国者接触者外来」として、保健所より依頼される濃厚接触者に対する抗原・PCR検査

2、医師会より委託されている「発熱外来PCRセンター」としての医師会診療所よりの紹介患者さんに対するPCR検査

3、当院の「発熱・問診異常者外来(独自の発熱外来)」として行う抗原・PCR検査

4、緊急入院患者さんに対する抗原・PCR検査

5、予定入院患者さんに対し、入院の2~3日前に行うPCR検査(当院では全入院患者さんに対し抗原またはPCR検査を行っている)

6、症状のない検査希望者に対する自費によるPCR検査

 以上、7月31日現在、PCR検査は400件を超え、抗原検査も200件を超えました。スタッフの体制は全職員が一丸となって当たっています。医師は、私も加わり、医科の常勤医師はもちろん歯科医師、さらに、非常勤の医師たちにも参加してもらっています。研修医達にも参加させ、良い地域医療研修になっています。

看護師たちの献身的な業務にはただただ頭が下がる思いです。

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他に、当院では6月中旬に、検査を希望する70名の職員に、抗体検査を行いました。幸い全員が陰性でありました。(抗体検査とは過去に新型コロナウイルスに感染したか否かの検査です)

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院内の感染防護対策としては、7月より、首都圏等・圏外から研修にくる研修医には、直前に大学病院等の所属病院の責任でPCR検査を実施してもらい、陰性を確認後受け入れています。

また、首都圏よりお越しいただき、非常勤で当院の専門外来を担当して頂いている先生方の何人かに、しばらくの間、自粛をお願いしています。患者さんにはご迷惑をおかけしていますが、ご理解下さい。

職員には病院外でも徹底した感染防護対策を取るよう指示し、8月よりは、家族以外での5人以上の外での飲食・会食は控えるよう、院長としての指示を徹底します。

人間ドック・検診についても、受診者および当院スタッフの感染防護体制を一層強化します。

歯科においても、検温と問診を徹底し、少しでも感染が危惧される場合は、医科の「発熱・問診異常者外来」の受診をお願いし、抗原検査を行い、陰性を確認後に歯科の診察をする体制とします。ご理解いただきたいと存じます。

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当院は今後も、より一層の感染防御態勢を整え「感染らない、感染さない」を合言葉に、可能な限りの対策を取り、感染リスクを減らし、患者さんと病院スタッフの安心・安全を守りつつ、新型コロナウイルスに正面から取り組んで行く所存です。


新型コロナウイルス感染・第四報(2020年6月17日)

5月25日 非常事態宣言解除

5月27日 県からの要請である、医師会が運営する「発熱外来PCRセンター」を受諾

5月29日 抗原検査可能となり、30日より、緊急入院患者に抗原検査を施行

6月2日 東京都の感染者が34人、東京アラート発令

6月11日解除

 

その後も東京を中心に都市部では感染者がくすぶり続けています。

 

6月15日より、「発熱外来・PCR検査センター」を開始しました。

これは令和2年4月15日に厚生労働省が示したスキームを活用して、

4月30日に埼玉県保健医療部が「PCR検査を集中的に実施する発熱外来PCRセンターの設置を郡市医師会にお願いしたい」との要請に答えて実施されるものです。

秩父郡市医師会は、医師会自らがこの事情を行うのではなく、圏内医療機関に再委託のための公募を行いました。

当院は、すでに「独自の発熱外来」「帰国者接触者外来」を開設し、感染者用病床を3床確保しております。また、全入院患者に対するPCR検査、緊急入院患者に対する抗原検査も行っており、PCR検査はすでに百数十人に実施しております。

幸い、6月17日現在、PCR陽性者は0であり、感染者の入院もありません。

一方でこの4か月の間に、新型コロナ感染症に対する防護体制・防護具の整備、職員の防護テクニック、感染防護の意識、何より秩父医療における当院の役割に対するスタッフの意志が熟成されて来ました。

地域医療を守るべく、当院は積極的にこの事業に参加することとしました。

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この「発熱外来・PCR検査センター」は診療所の先生方(かかりつけ医)が新型コロナ感染を疑い、PCR検査が必要と診断した患者さんをご紹介いただくものです。

医療者としての責務を可能な限り果たして行きたいと考えています。平日(月曜から土曜)の午前・午後受け付けています。

 

手続き、詳細は秩父郡市医師会より案内があると思います。

 


新型コロナウイルス感染、第三報 (2020年5月25日)

本日より埼玉県を含め東京、神奈川、千葉、北海道の国の緊急事態宣言が解除となった。感染者の報告は確実に減少傾向であるが、専門家の予測では、第二波、第三派が来る可能性が高いという。このウイルスの特徴である、

①    8割が軽症または全く症状がない ②無症状の感染者も感染力がある ③感染力が強い ④重症化のスピードが速い、等を考えると、まったく安心はできない。

たとえ感染者の報告が0となっても、すべての国民に検査を行っている訳ではなく、ウイルスは生体内に確実に生きて行くのであるから、何時感染の波が来るか分からないのである。

さらに、最近では、医療従事者の感染や院内感染が問題となっている。医療従事者が感染のリスクが高いことは当然であるが、近郊での院内感染は不安を募らせる。用心に越したことはない。

当院では5月20日に、救急玄関横に陰圧感染症用テントを準備した。

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さらに、5月23日より、入院患者さん全員にPCR検査等を行うこととした。抗原検査も準備が整い次第、入院が必要な救急患者さんに行う予定である。

感染リスクの高い歯科や検査、疑い患者さんには完全防護体制で臨んでいる。

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可能な限りの感染防止対策を行い、院内感染を防ぐ努力をしている。

5月18日より、検診・人偏ドッグを再開、歯科診療も平常に戻した。

 


新型コロナウイルス感染・第二報(2020年5月15日)

当院は

2月初旬より発熱外来を始め、その後4月末に感染者専用病床を1床

5月6日の連休明けより3床とした。

5月14日から帰国者接触者外来を開始した。

感染者専用病床には、ほとんど毎日、肺炎を伴う『PCR検査結果待ちの患者さん』が入院

している。幸い現時点で感染者は出ていない。

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老人施設や救急車での来院も多く、高齢の重傷者、要介護者が多い。5月14日現在、満床である。担当の看護師は肉体的にも精神的にも大変である。

14日には発熱・救急外来から直接感染専用病床に運ぶルートを作った。幸い当院は木

造平屋でスペースに余裕があり、どこにでも窓がある。三蜜を防ぐには適している。病棟の

廊下の両端は開閉できる掃き出し窓があり、少しの段差で外に通じている。職員が手作りの

スロープを作り、これが可能となった。

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帰国者接触者外来とは何か? 埼玉県では、以下のようになっている。

患者さんがコロナ感染を心配した場合、まず直接に医療機関に受診するのではなく、

まず「埼玉県新型コロナウイルス感染症県民サポートセンターTel:0570-783-770)」

連絡相談後、疑い事例の場合には、さらに「帰国者・接触者センター(保健所)」の指示

を受ける必要がある。その後、受診調整を行い、初めて「帰国者接触者外来」紹介となる。

「帰国者接触者外来」は一般患者さんとの分離等、一定の基準を満たしていなければなら

ないいが、行政が行うPCR検査に加えて、民間のPCR検査が可能である。加えて、新し

く認可された簡易抗原検査もいずれ可能となるらしいとのこと。

PCR検査の数が日本は諸外国に比べて極端に少ないといわれ、首相や厚生労働大臣は

どんどん増やす体制を作ると言っているが、現在のところ「コロナ感染が心配」との理由だ

けでは、PCR検査はできない。あくまで医師の診察の結果で検査が必要と判断された場合

のみ検査が出来ることをご理解頂きたい。なるほど現状では、風邪の患者さんにPCR検査

をやっていたら、必要な患者さんに出来なくなるであろう。

当院では、発熱外来及び帰国者接触者外来の担当者に医師会や大学からの非常勤医師、加え

て、初期研修医も講習を行い全員参加体制で当たっている。

休止していた検診・人間ドッグも再開予定で準備中である。歯科についても、5月14日よ

り一層の防護体制を整え、受診抑制を解除した。

これらの体制により感染患者の来院が増え、職員の感染や院内感染のリスクが増すことは

十分に考えられるが、より一層の防護体制の強化と入院時検査等の充実を図り、絶対に院内

感染をださずに、コロナと正面から戦わなければならない。今、病院全体の意識が一つにな

ったと感じている。


新型コロナウイルス感染・第一報 (2020年5月9日)

2020年2月よりは、新型コロナウイルスに振り回されている。幸い当地域では、地元に起因する感染はなく、2020年5月9日現在、感染者の入院もないが、疑い患者さんは毎日来院する。

当院の新型コロナ対策の実際を紹介する。

当院は玄関先にブースを設け、来院者全員の検温と詳細な問診表への申告を行っている。発熱者や問診項目に問題がある方には、普段は救急車の患者さんを受け入れる救急外来で個別に対処している。

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具体的には、自家用車で来院した患者さんについては、車での待機をお願いし、

車での来院でない方は、救急玄関脇に病院のワンボックスカーを準備し、ここで待機してもらっている。

担当医師と看護師は当番制として、私も参加しているが、可能な限り少数で対処し、当然防護体制で行っている。

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風除室に陰圧テントを一基、救急室はゾーニングを行い、陰圧テントを別に一基備えている。患者さんとの連絡は携帯電話で行い、歩行可能な方は風除室のテント内で診察、ストレッチャーの方は救急室内のテントに収容し診察、治療、モニターリングを行う。ケースによるが、医師が待機中の車まで出向き、新たな問診と簡単な診察を行い、来院の経緯、状況、大まかな様態をチェックすることもある。

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必要により血液検査、PCR検査を行うが、CT等画像検査が必要な場合は放射線技師が防護着を着こみ、検査室まで運び検査を行っている。

入院が必要と診断された患者さんは、決められたルートで隔離病室に収容し、可能な限り一般患者さんとの接触を避けている。

現在当院では病棟の一角を感染症区域として、個室5室これに充て、この内の2床を準備・機材とスタッフの着替え・休憩室とし、3床を感染症病床として準備し、可能な限り一般病床との隔離を図っている。

現在最も頭を悩ましていることが二つある、一つは入院が必要な新型コロナウイルス感染症疑い患者さんへの対処である。当然PCR検査を行うが、結果が出るのに1日半から2日を要する。これでも大分早くなったが、この間の看護が大変である。疑い患者さんと言えども、感染者と同様の看護、治療を行わなければならない。当然看護師、医師は完全防護体制であり、いったんレッドゾーン区域に入るとトイレ一つにしても大変である。しかも、感染の意味からも人員数の面からも、可能な限り少人数で対処しなければならないので、必然、緊張・拘束時間は長くなる。

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もう一つは全くコロナ感染が疑われない患者さんの入院である。例えば緊急手術患者の感染の有無は現状では検査できないのである。新型コロナ感染者の実に80%が軽症あるいは無症状という。現場の思いとしては、新規の全入院患者さんへのPCR検査が望ましい。それでなければ院内感染を100%防ぐことはできないであろう。

ともかく、新型コロナウイルス感染症対策におけるストレスの中で、看護師・医師はじめ、スタッフ全員の献身的な仕事ぶりは、院長としてありがたく、頭の下がる思いである。

当院は当分の間、学会の指導もあり、検診・人間ドッグを休止している。また、歯科は救急患者を除き、診療制限を行っている。

一方で、可能な限り、一般の診療、手術、検査は続けて行くつもりである。何も患者さんはコロナ関係患者さんだけではない、要緊急手術患者・重症救急患者・癌患者等は命に係わるという意味では、当然コロナ感染者より重篤である。致死率はコロナ患者の比ではない。

コロナ如きに地域医療を崩壊させてはならない。地域の中核病院としての自負と気概を持って、最大限の努力を辞さないつもりである。

 


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プロフィール
秩父病院院長 花輪 峰夫

秩父病院院長 花輪 峰夫

人と人との触れ合い医療を実践し、患者さんから信頼され、スタッフが気概を持って、地域に貢献できる病院を目指します。

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