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花輪理事長の独り言

新型コロナウイルス感染・第17報(2021年9月9日)

平常診療体制への復帰

8月17日最初の院内感染の確認以来、新規入院・予定手術等一部の診療体制を制限してまいりましたが、現在、院内感染は十分にコントロール下にあり、2021年9月8日から、平常の診療体制に復帰致しました。

今後も、引き続き、新型コロナ感染症の患者さんに付いての入院治療、ワクチン接種、濃厚接触者に対するPCR検査、発熱外来、PCRセンターとしての機能等を行ってまいります。

私の医師として生きた半世紀の中で「通常の診療・手術・検査が出来ること」がこんなに素晴らしい、有難いことであると初めて気付かされました。

出来るだけ早くコロナを収束させ、全精力を一般診療に注入できる日を念願しています。

ご迷惑、ご心配をお掛けしましたが、今後もより一層、感染防御体制を強化し、地域医療を行なってまいります。ご理解の程、宜しくお願い申し上げます。

 

 

『仮称・抗体カクテル療法センター立ち上げ』

この療法は最近大変有効であることが分かって来ました。まだ症例は少ないですが、当院での十数例の経験でも同様に有効性を確認しております。

現状での、この療法を行う条件ですが、外来での治療が可能となりました。ただし、投与後の副反応が発言した場合に備え、接種後24時間医療機関に連絡できる体制が確保され、状況により入院が可能であるとのことです。従って、実際には、新型コロナ感染症を受け入れている病院ということになります。

一方、医療逼迫・感染病床の不足に伴い、自宅療養中患者さんが増え続け、その中で重症化したり亡くなったりする事例が増えて来ています。

そこで当院では、自宅療養中の患者さんの内、適応基準を満たす患者さんに保健所や自宅療養協力医療機関と連携し「抗体カクテル療法」を行いたいと考えています。

 

当院の少ない経験と多くの知見から、この療法は早期に行えば、重症化を防ぐことができると確信しています。

今、この療法の適応基準や実施条件が定まっておりませんが、大変有効であることは間違い無く、当院でも適応症例があり次第、お引き受けし、治療を行うつもりです。

 


新型コロナウイルス感染・第16報(2021年9月4日)

院内感染

8月初旬頃より、埼玉県でも感染者の急増で、感染者の入院が難しくなり、同時に重傷病床も不足、当院でも重傷者に対し、人工呼吸器を使用しての治療を行なわざるを得ない状況もありました。一方で自宅療養者も急増しており、重症化した場合の対処の難しさ、救急車の受け入れ困難が現実のものとなって来ました。

 当院ではコロナ感染者専用病床を10床備えて感染者への治療を行っております。

こんな状況下で、痛恨の極みでありますが、8月17日に一般病棟の入院患者さんに初めてPCR検査陽性が判明、以来、8月24日の間に、計12名の患者さんと、病室担当職員2名(計14名)にPCR検査陽性が判明しました。感染した患者さんの大半はすぐに感染病床に移し、感染病床に収容できなかった患者さんは、特別個室感染病床を整備し、抗体カクテル療法等を行いました。その後は新規入院の中止、入院手術の中止等の対処、全入院患者さんと全職員に対する、最低2回/週のPCR検査の実施を続けました。新規感染患者さんの経過は良好です。その後、10日間感染者は出ませんでしたが、9月3日に陽性者が一人判明しました。

2名の職員は、二人ともワクチンを2回打っておりましたが、感染しました。すぐに抗体カクテル療法を行い2週間の自宅待機としましたが。二人ともほとんど症状は現れず、現場復帰しています。

今後は来週初めまで経過を見つつ、保健所・埼玉県のご助言を受け、当院の今後の診療体制を決定していくつもりです。

今回の反省から、予定入院・手術は原則ワクチン二回接種後の入院とし、当日の抗原・PCR検査の実施等を徹底するなど、院内感染防御態勢を今まで以上に強化するつもりです。

今回の苦い経験から、学んだ事があります。

①    ワクチンを2回接種していない方に感染者が多く見られたこと。

②    一方、ワクチンを2回接種していても感染することもあること。

③    しかし、ワクチンを2回接種していた人は、感染しても重症化しないこと。

④    抗体カクテル療法は大変有効であること。

許されるなら、出来る限り早期に、感染者の受け入れを再開し、加えて、医師会の先生方と協力し、自宅療養者への抗体カクテル療法の実施等、コロナ感染患者さんへの治療を継続して行きたいと考えています。

同時に、今までと同様に、一般患者さんへの入院治療・手術も行っていく所存です。

当然、若者へのワクチン接種、特に小学生のご家族、中学生とそのご家族への接種を早急に行いたいと考えています。

このことが当地域に於ける、秩父病院の使命と心得ております。

ご迷惑をおかけしておりますが、早く通常の診療、生活、社会が戻ることを願い、めげずに頑張りますので、何卒ご理解の程宜しくお願い申し上げます。

 


新型コロナウイルス感染・第15報(2021年8月18日予定であったが、本日9月4日アップ)

コロナ対策を振り返って感じた事

2020年2月より当地でも始まったコロナ禍は1年半を経過した現在、日本は第5波に見舞われ、感染者が大幅に増え、感染者の入院治療もままならず、自宅療養者が急増しています。

私は、2021年5月10日(第9報)のこのブログに

『コロナ禍は緊急事態を過ぎもはや地球規模の災害です。コロナとの戦争といっても良いでしょう。しかし、日本では臨戦態勢とは程遠い状態』と指摘しました。三度目のより広域の緊急事態宣言、蔓延防止法は発せられましたが、いまだ、政治家や行政の意識は変わっていない様です。この結果、国民の意識も大きく二つに分かれるように思います。「ただ怖がり自粛・自粛」と「無知・無関心・他人事」です。自由主義国家の日本では強制的な施策は出来ないことは喜ばしいことです。しかし、コロナとの戦争なのですから、国民の意識も変わらなければいけません。

最近、やっと、テレビ等の専門家やコメンテーター、政治家の言葉に「災害級」という表現が現れ、ついに今はコロナ禍の現状を「災害」「有事」と言い出しました。「やっとわかったか?」と私は思います。

私はそうなった原因を独断と偏見は承知で推測してみたいと思います。

1,国民、市民、医療従事者等すべての人の危機意識の欠如。

2,新型コロナウイルス感染症に対する、正確な認識の欠如

3,マスコミの市民の動揺をあおる報道・世界の正確な情報の欠如・情報量の偏り

4,無知と利己主義、他力本願

5,国家、地方行政システムの不備・対応の遅さ・縦割り・前例主義・リーダーの欠如

6,行政、医師会、保健所、現場医療機関等のコミュニケーションと協議の欠如

7,非常時(有事)ということを忘れた、度を過ぎた個人情報保護と自由という言葉の履き違え、おかしな平等意識

言い出せば切りがないので、より具体的な私が痛切に感じていることを列記します

①    私は、唯一ワクチン接種がコロナに対するきわめて有効な手段、つまり感染と重症化を防ぐ唯一の方法と考えています。しかし、マスコミは、副反応等のマイナス面を話題にし、接種を控える風潮を助長しているように思えてなりません。

②    若者にワクチン接種を希望しない人が多いことから、ワクチンの安全性のメリットを示し、逆に、感染後に後遺症が残るという脅かし、さらに、接種したら何かしらの、「ご褒美」を挙げるという。メリットと脅かしはまだ、良しとして、「ご褒美」は開いた口がふさがらない。これでは、日本人としての資質、品位が疑われる醜態である。「他人の為、家族の為、仲間の為にワクチンを打つのではないのか」情けない。

③    新型コロナ感染症の疾病としての怖さ

正直、まだ私にもわかりません。しかし、私どもが常日遭遇している疾患、がんや心筋梗塞、脳卒中等と比べると、命に直結するという意味ではそれ以上に恐ろしい病気とは思えません。

新型コロナウイルス感染症は早期に対処すればまず死ぬことは無いと思っています。

今のところ、決め手はワクチンしかないと考えています

 


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プロフィール
秩父病院理事長 花輪 峰夫

秩父病院理事長 花輪 峰夫

人と人との触れ合い医療を実践し、患者さんから信頼され、スタッフが気概を持って、地域に貢献できる病院を目指します。

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