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花輪理事長の独り言

院長ブログ

二次救急医療体制 その2

 

平成30年7月4日のこのブロブに当院の夜間二次救急医療体制について、「段階的に縮小して行く方針である」という今後の方針を書きました。

今回は改めてその経緯と趣旨・理由を書き留めて置きたいと思います。

 

1、平成29年4月1日 院長ブログ に救急医療に対する今後の当院の方針として、

来年度(平成30年度)より段階的に縮小させて頂きたい旨と公的病院の役割について書きました。

 

2、平成29年9月 9月の秩父市報に同様の内容を書きました。(これはブログに紹介済)

 

3、平成30年4月23日 医師会長、広域の長である秩父市長に、当初の予定を1年延期し、平成31年度より、『日曜昼間、日曜夜間の救急担当辞退』したい旨、文章で通知しました。

 

4、平成30年7月4日 院長ブログ 130周年記念誌の20年を振り返って:当院の基本方針の中で、当院の夜間・日曜の二次救急診療を段階的に縮小する趣旨と理由を書きました。

 

5、今回(平成30年10月)、熟慮の末、下記の文章を医師会長および秩父市長あてに通知しました

 

救急担当辞退内容の変更について

 

 時下ますますご清祥の段、お慶び申し上げます。平素は格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。

さて、平成30年4月23日付で平成31年度の救急担当について、日曜昼間と日曜夜間の担当辞退をお願いしていた所ですが、諸事情を鑑み、平成31年度は現状通り行い、平成32年度の救急担当については日曜昼間と日曜夜間及び土曜夜間の担当を辞退したくここに通知させて頂きます。

私共が平成294月に救急担当の段階的縮小を表明してより、1年半が経過しました。平成32年度でまる3年となります。今後の1年半の間に、当地域の対処不能症例に対する対策と、より広域の医療連携システムの構築がなされる事を期待したいと考えます。ご理解の程、宜しくお願い致します。

                         医療法人花仁会 秩父病院院長 花輪

平成29年4月に私共が当院の夜間・日曜の二次救急診療の段階的縮小を表明してより1年半が経過しました。この間上記したように、機会をとらえて、「あくまで患者の立場に立ち、当地域のあるべき二次救急体制の見直し」について発信してきましたが、私が期待する前向きな対策は何一つ成されておりません。

 

今回の変更通知の意味は、平成32年度までの、さらに約1年半の間に、地域で困難な疾患・症例の二次から三次救急医療がより円滑に成されるような体制の構築を期待し、関係者全員の危機感と本気度・気概を喚起することが目的であります。全国標準の医療が為されない地域には、誰も住みたいとは思わないでありましょう。

もちろん私共も ①自院の機能の向上 ②さらに多くの高次医療機関と円滑な連携 ③画像転送や迅速な情報提供 ④救急担当医師の派遣依頼と人員交流 ⑤ヘリ搬送のさらなる有効利用等に努めて行きます。

早速、来る平成30年11月19日には、「秩父病院創立130周年記念医療連携会」を開催します。多くの高次医療機関の医療連携室の方々および医療福祉部会の市議会議員様にもご案内を差し上げております。この中で、当地域の救急医療の現状をご理解頂き、議論が深まることを期待しています。

現段階で、具体的に私の頭の中にあることは以下のものです。

 

1、まず現状を認識し、患者の立場に立って当地の救急医療を考えること。(当地には小児二次救急施設・脳梗塞対処病院がないこと、年間600件を優に超える管外搬送があること。産科施設・二次救急病院の減少、急激な医療の進化により高度医療が日常的に行われるようになり、相対的に対処不能症例が増加している事、それに伴い患者・家族の要望も変化していること、等々)

 

2、秩父市立病院の救急医療体制の充実(地域中核病院たる専門医療の整備。せめて脳梗塞に対するTPA治療が出来る体制の整備等、将来的目標、ビジョンを立てる)

 

3、当地域が医師不足地域かつ準医療過疎であることを踏まえ、より広域的救急医療体制の構築(すでに全県下で整備された脳梗塞にたいする収容病院群体制に加え、同様に急性心筋梗塞等にたいする体制整備)等に対し、当地域の行政、医師会その他医療関係者が積極的に関与し、県、国に対して要請すること。

 

4、その他、医師確保のための既成概念に囚われない実効性のある対策等、一歩踏み出すことを期待するものです。

 

 


プロフィール
秩父病院理事長 花輪 峰夫

秩父病院理事長 花輪 峰夫

人と人との触れ合い医療を実践し、患者さんから信頼され、スタッフが気概を持って、地域に貢献できる病院を目指します。

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