花輪理事長の独り言
院長ブログ
その10
『松陰は国を憂い、欧米列強による侵略、日本の消滅を危惧し、国を担う人材育成に渾身の意欲を込めて、松下村塾を創った。スケールや次元は違うが、私は昨今の極端な専門医教育の結果生まれた弊害と医師としての在り方や気概の欠如、萎縮する心を憂いている。
花仁塾の入塾資格は「志(こころざし)を持つ人」である。
私のような未熟者が、偉そうなことは言えないのであるが、幾つか『今の若い人』に歯がゆさを感じることがある。
サミュエルウルマンの「青春」という詩がある。マッカーサー始め、多くの政治、経済界のリーダー達が座右の銘とした詩で、私も大好きである。「青春とは人生のある時期をいうのではなく心の持ち方を言う。逞しき意志、豊かな想像力、燃ゆる情熱・・・安易を振り捨てる冒険心をさす。歳を重ねるだけで人は老いない。理想を失うとき初めて老いる。六十であろうと十六であろうと人の胸には驚異に魅かれる心、幼児のような未知への探求心・・・を持つことができる」で始まる。言ってみれば高齢者を励ます詩である。が、しかしである、私は『今の若い人』にこれらの若さの条件をあまり感じることがない。松陰は「諸君、狂いたまえ」と言った。私は「若さは馬鹿さ、馬鹿さは若さ」と思うのである。また、人のことは言えないが、視野の狭さ、労を惜しむ風潮も気になることの一つである。こういう自分の考えを少しでも伝えたいと思うのは私の思い上がりであろうか。「地域でしか良い医者は生まれない」は言い過ぎかもしれないが、若手医師の教育を、私の最後のライフワークにしようと思っている。
平成29(2017)年4月 第117回日本外科学会定期学術集会 特別企画(5)「今こそ地域医療を考えるー都市と地方の外科医療と外科教育の格差を解消
するにはー」のセクションで『研修医の視点に学ぶ格差解消への模索と地域医
療の役割』と言う演題でお話しした。当院で地域医療を学んだ初期研修医達が
研修後、都市(大学病院)と地方(地域病院)の違いをどのように感じたか?
を取り上げた。そこから格差というより、若手医師の教育には、都市と地域の
お互いが補填し合うこと、それぞれを循環すること、早い時期から地域医療を
知ることが重要と指摘した。当院の指導方針と研修医たちが感じた事柄は別に記しておく。大学等の指導陣へも多少のインパクトはあったと思っている』
今回はこれくらいで良かろうかい チェストー!!!