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院長ブログ

新型コロナウイルス感染・第16報(2021年9月4日)

院内感染

8月初旬頃より、埼玉県でも感染者の急増で、感染者の入院が難しくなり、同時に重傷病床も不足、当院でも重傷者に対し、人工呼吸器を使用しての治療を行なわざるを得ない状況もありました。一方で自宅療養者も急増しており、重症化した場合の対処の難しさ、救急車の受け入れ困難が現実のものとなって来ました。

 当院ではコロナ感染者専用病床を10床備えて感染者への治療を行っております。

こんな状況下で、痛恨の極みでありますが、8月17日に一般病棟の入院患者さんに初めてPCR検査陽性が判明、以来、8月24日の間に、計12名の患者さんと、病室担当職員2名(計14名)にPCR検査陽性が判明しました。感染した患者さんの大半はすぐに感染病床に移し、感染病床に収容できなかった患者さんは、特別個室感染病床を整備し、抗体カクテル療法等を行いました。その後は新規入院の中止、入院手術の中止等の対処、全入院患者さんと全職員に対する、最低2回/週のPCR検査の実施を続けました。新規感染患者さんの経過は良好です。その後、10日間感染者は出ませんでしたが、9月3日に陽性者が一人判明しました。

2名の職員は、二人ともワクチンを2回打っておりましたが、感染しました。すぐに抗体カクテル療法を行い2週間の自宅待機としましたが。二人ともほとんど症状は現れず、現場復帰しています。

今後は来週初めまで経過を見つつ、保健所・埼玉県のご助言を受け、当院の今後の診療体制を決定していくつもりです。

今回の反省から、予定入院・手術は原則ワクチン二回接種後の入院とし、当日の抗原・PCR検査の実施等を徹底するなど、院内感染防御態勢を今まで以上に強化するつもりです。

今回の苦い経験から、学んだ事があります。

①    ワクチンを2回接種していない方に感染者が多く見られたこと。

②    一方、ワクチンを2回接種していても感染することもあること。

③    しかし、ワクチンを2回接種していた人は、感染しても重症化しないこと。

④    抗体カクテル療法は大変有効であること。

許されるなら、出来る限り早期に、感染者の受け入れを再開し、加えて、医師会の先生方と協力し、自宅療養者への抗体カクテル療法の実施等、コロナ感染患者さんへの治療を継続して行きたいと考えています。

同時に、今までと同様に、一般患者さんへの入院治療・手術も行っていく所存です。

当然、若者へのワクチン接種、特に小学生のご家族、中学生とそのご家族への接種を早急に行いたいと考えています。

このことが当地域に於ける、秩父病院の使命と心得ております。

ご迷惑をおかけしておりますが、早く通常の診療、生活、社会が戻ることを願い、めげずに頑張りますので、何卒ご理解の程宜しくお願い申し上げます。

 


プロフィール
秩父病院院長 花輪 峰夫

秩父病院院長 花輪 峰夫

人と人との触れ合い医療を実践し、患者さんから信頼され、スタッフが気概を持って、地域に貢献できる病院を目指します。

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