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その13
『病院を建築中、ほとんど毎日、現場を見に行った。すると、ブーンという音に空を見上げると何かが飛んでいるのに気づくことが多くなった。モーターパラセールである。ゆったりと大空を漂っている。実に気持ちよさそうである。以前より気になってはいたが「誰が、どこから、どのように飛んでいるのであろうか」が無性に気になり始めていた。
誰しも子供の頃に空を飛んだ夢を見たであろう。私も幼少期にこんな夢をみた。それは必ず同じ夢で、秩父神社と自宅の間にある道を、両手を広げ全速力で駆けると、浮き上がるというものである。高さは1mか2mで、それ以上は上がらず飛ぶと言うほどではないので、もしかしたら本当に出来るのではないかと感じられ、この夢を見た時には必ず飛び起きてこれをやってみた。その度にいつも裏切られたが、もっと早く走れれば浮き上がるだろうと思って、あまりがっかりもしなかったように思う。「何時かは飛べるかも知れない」子供の夢はそんなもの、可能性に満ちている。
新病院の完成後、私は熊谷のモーターパラスクールに入門、訓練を開始した。平成23(2011)年10月4日初講習、10月16日には朝霧高原に行き、初めてパラセールを体験した。タンデムといって、二人乗りの前の座席に乗り、ベテランのパイロットが空へ連れて行ってくれるのである。私は高所恐怖症ではないが、決して高いところに強くはない。
平成23(2011)年11月、4回目の練習で、初めて空を飛んだ。久々の感激であった。その時の撮ってもらった写真、自分でもこんなに嬉しそうな顔を見たことがない。
その後、平成24年の元旦、新病院の上を始めて飛んだ。子供の時の夢が63歳になって叶ったのである。しかも自宅と新病院の上空を飛べたのであるから、これ以上の贅沢な満足はない。正に天にも昇る気持ちであった。㊼
平成24年、病棟の北側の隣接地の一部を借り、蕎麦の栽培を始めた。収穫して天日干し、そこから先は当院の看護師さんのお父さんでプロのお蕎麦屋(三千乃家)さんに打ってもらう、自家製蕎麦である。病棟の窓から患者さんが楽しめる様に赤い花の蕎麦を植えたのが最初である。大沢勝太郎さんから今は、田中英生、斎藤陽子さんに引き継がれているが、正に精魂込めた逸品である。
これを年末から春先にかけて、当院が日頃からお世話になっている方々にお配りしている。心からの御礼のつもりである。当たり前であるが、喜ばれなかったことはない。実際に世界一美味しい。汗も魂も入っているのであるから。
| 更新時間 : 2018年10月 3日 14:34