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2018年7月
130周年記念Tシャツ
現在、11月に予定している、創立130周年記念医療連携会の準備と記念誌の作成に追われている。記念誌の職員全員の原稿は総て集まり、日頃お世話になっている医療機関の先生方やOBの先生方等よりのご祝辞、ご寄稿も概ね頂き、形が整いつつある。本当に有難いことである。心から御礼申し上げる次第である。今は写真や記念誌のデザイン、編纂作業に入った。
前回、当地域の救急医療(特に夜間二次救急体制)について、現時点での私の考えを記念誌より転載し紹介したが、今後、このブログに記念誌の内容を随時紹介して行きたいと思う。
今年の夏は正に猛暑である。先日(平成30年7月23日)熊谷が暑さ日本一の記録を更新した。なんと41.1度であった。
7月18日、やはり猛暑の中、130周年の記念事業に備え、ヘリポートに職員が集合し、ドローンによる撮影会を行った。130を人文字で描き、上空より撮影した。130周年の記念に職員がデザインしたTシャツを作成、全員がこれを着込んで撮影した。記念誌と連携会でこの写真を使おうと思っている。
花の子ハウスのスイカ割り
今日(7月24日)は比較的暑さは和らぐ。
花の子ハウスではスイカ割が行われた。スイカは花の子農園自家製の大きなスイカである。子供達はおなか一杯。残りはやはり自家製のトウモロコシと一緒に職員食堂で振舞われた。
| 更新時間 : 2018年7月27日 10:03
昨年の12月以来、私のブログはお休みしていました。一番の理由は、秩父病院創立130周年記念誌を創ろうと思い立ち、その準備で手が回らなかったからです。前回は創立110周年記念誌を発刊しましたが、この20年で医療も当院も大きく変わりました。
平成30年11月19日(月曜日)に130周年記念医療連携会を行おうと考えています。
昨年、(2017)年4月第117回日本外科学会定期学術集会において、 特別企画(5)で、「研修医の視点に学ぶ格差解消への模索と地域医療の役割」をお話しさせて頂いた後、このブログでも紹介しましたが、インターネットサイトm3.comの取材を受け、
Vol.1 夢見た地域完結の医療「今は無力感と脱力感」
Vol.2 「総合医の養成」は地域病院の使命
がサイトにのりました。タイトルがかなり悲観的であったため、多くの方々より「先生どうしたの?」とご心配やら励ましやらのお言葉を頂きました。
また、2017年秩父市報9月号に秩父の医療現場から 「救急医療の現状の課題と将来について」を書きました。内容は「当院は夜間二次救急体制を段階的に縮小して行く、将来的に夜間救急体制を公的病院たる秩父市立病院に集約して行く」と言う提案です。
また、4月12日に、正式に文章で秩父広域市町村圏組合と秩父郡市医師会に当院の方針を伝えました。
以来、市・広域・医師会等でご心配頂いていることは承知しています。しかし、当院の申し出に対し、市は「再考を」との事のみで、私の提案に対しての具体的な意見や回答はなく、医師会やちちぶ医療協議会での議論も、何時もそうですが、私の指摘する問題はすり変えられ、違った方向に進んで行っているように思われます。私は、ただ疲れたから、大変だから救急をやめたいなどと言っているのではありません。もちろん無力感も脱力感もありません。ごく自然な前向きな提案と思っています。
そこで、夜間二次救急を縮小する本意を知ってもらいたく、しつこい様ですが、何度目かの発信をしたいと思います。
当院130周年記念誌・当院の基本方針の中から抜粋してお話しします。現時点の私の考えです。
前文略、、、、、、。当院のもう一方の柱は救急医療である。「救急は医療の原点」は当院の理念であり、永遠に変わることはない。しかしながら、当地域の救急医療の実際を考えると、医療者の理念以前の問題として踏み外してならないものがある。それは我々には「患者に最適な医療を提供する義務がある」と言うことである。これは逆に言えば、「患者の権利」である。医療の進歩、高度化に伴い、地域内で行え得る医療行為は相対的に減少して来ている。先に述べた当院で行う手術の範囲の縮小と同じ意味を持つ。現状では全てを完結は不可能であり、最も大切なことは、対処不可能な症例の場合、「いかに早く患者さんを適切な治療のできる医療機関に送るか」である。病院移転に際し、ヘリポートを併設した所以はここにある。いや、そのために移転したと言ってよい。
患者さんの利益を中心に据えた時、秩父地域の救急システム、特に夜間救急に限界が来ている事は明らかである。
くどい様だが、医療の急激な進歩、人や医師の都市集中は地域内での完結を不可能にした。相対的に地域医療は弱体化しているのである。従って、より広い視野を持ち、より広域の医療体制しかないのである。現実を直視すべきである。この20年間で、私の考え方が最も変わったのはこの事である。『秩父地域完結医療はあり得ない』すでに現状の医療圏と言う狭いレベルでは地域医療は為すべきではない。平成30年1月より開始された、埼玉県急性期脳梗塞治療ネットワーク構想は大きな進歩と考える。
当院の様に夜間救急を一人の医師が全てを担うことなど、あまりに荷の重いことであり、結果として患者の権利を阻害することも有り得る。なにより医療者としての良心が許さないのである。
ではどうするか? 行政が、市民の理解の基、公費(税金)を有効に使い、より広域の医療・連携システムを作り上げる事を要請したい。具体的には、当地域で対処不可能な重症かつ緊急疾患に対する迅速で円滑な転送システムの構築である。ドクターヘリのさらなる活用、夜間のヘリ搬送、地域独自のドクターカーの整備と運営、当地域専用の後方病床の確保もその一つであろう。既成概念から飛び出し、知恵を使うべき時期である。当地域においては、公的病院たる秩父市立病院が、この使命を担うべきと考える。
問題はあくまで「夜間の当地域で対処不能な重症患者」のへの対応を問題にしているのであります。休日診療所や在宅当番の改善を要求しているのではありません。
医師会には、当院の夜間救急体制の段階的縮小の意味をご理解頂き、市や市立病院に対しての働きかけを期待したいと思います。
| 更新時間 : 2018年7月 4日 10:55