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院長ブログ

第3回 最近の胆管結石治療法

内視鏡的乳頭部バルーン拡張術(EPD)
秩父病院外科部長 金子 幸雄

 

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▲↑十二指腸ファイバースコープ挿入

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胆道系およびその周辺臓器

 胆石症は、胆道とよばれる胆汁の通り道に結石ができ胆嚢炎、胆管炎、黄疸、膵炎などさまざまな病気の原因となる疾患で、結石の存在部位によって胆嚢結石症と胆管結石症に大別されます。今日では胆嚢結石症の治療法としては腹腔鏡下胆嚢摘出術が普及し、患者さんの負担はずいぶん軽減され入院期間も短くすむようになりました。しかし、胆管結石症の場合は、現在でも開腹手術が行われることが多く、入院期間も1カ月あるいはそれ以上必要となります。

 近年、内視鏡を用いたさまざまな治療法が考案され実際の治療に応用されてきています。今回ご紹介するのは、胆管結石に対し内視鏡的にこれを除去する方法です。本法により開腹手術を避けることができ、また入院期間の短縮、治療費の低減などいろいろな面で患者さんの負担を減らすことが可能となりました。以下その実際をお話いたします。

 写真1は、十二指腸ファイバースコープを十二指腸に挿入し胆管造影を行ったところです。胆管内に約10mm大の結石が1つ確認されます。まず十二指腸の胆管開口部に拡張用バルーンを挿入し同部を広げ結石が通れるようにします(写真2)。次いで採石用バルーンを結石の奥に挿入しこれを膨らませ結石をひっかけて胆管外に取り出し終了です(写真3)。処置後、膵炎などの合併症が起こらなければ3日から5日で退院できます。
 また胆嚢結石を合併する方の場合は、腹腔鏡下胆嚢摘出術と組み合わせることで両者を治療することもできるようになりました。ただいくつかの条件によりすべての患者さんに行える訳ではありませんが、今後ますます需要の高まる治療法だと思われます。

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プロフィール
秩父病院院長 花輪 峰夫

秩父病院院長 花輪 峰夫

人と人との触れ合い医療をを実践し、患者さんから信頼され、スタッフが気概を持って、地域に貢献できる病院を目指します。

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