初期研修医

2015年10月1日~10月31日

秩父病院にて地域医療研修を1カ月させていただきました。

 秩父病院は、病床数52床という規模でありながら、胃・大腸・胆嚢などの消化器外科手術だけでなく、 一般外科・整形外科の手術を大学病院に勝るとも劣らないレベルで行っていました。 また、内科も総合内科として、どんな疾患の患者さんでも、できる限り秩父病院で診て地域病院の中核を担っておりました。

 研修医としては、手術・麻酔・外来・救急車対応・内視鏡など様々なことを経験させていただきました。 初めて実際の内視鏡に触るような私にも、丁寧な指導のもと内視鏡を完遂させてもらえるような懐の深さに大変感動いたしました。 また、救急当番日には1〜3次救急まで当番の先生と自分の2人でこなすという経験はとても緊張感があって勉強になることが多かったです。

 個人的にさらに勉強になったのは、地域連携会などの会に参加することで、埼玉医科大学付属病院などの大規模病院と地域病院の連携の大切さを痛感したことです。 また、私は大学病院という各科の専門家が24時間いつでも対応できるという、考えてみると大変特殊な恵まれた環境にいたのだなと考えさせられました。 脳梗塞の症例一つとっても、大学病院では脳梗塞が疑われるから脳卒中内科にそのまま紹介してこちらとしてはおしまい、といったことがほとんどであったことが事実です。 しかし、秩父病院では脳梗塞疑いの患者さんでも当番日は搬送される可能性があり、近くの大病院である埼玉医科大学の国際医療センターに転院させるにも1時間以上かかるという状況のもと、 転院させることのメリット・デメリットを天秤にかける必要があることを実感しました。
 また、各科の専門家がいない中でも、専門外の疾患を診るというストレスを抱えながら、時に秩父病院で、時に他院に紹介するという形で、 患者やその家族の背景を考慮して診療にあたる姿勢は大変頼もしく、自分も広く色々な病気をみれる内科医になりたいと感じました。

 内科の枠として研修しに来ましたが、院長の花輪Drを始め、外科の先生と関わることが多く、秩父という土地の魅力も十二分に教えていただきました。

 自分は初期研修2年になった時点で内科に行くことを決めたので、外科志望の時のモチベーションで秩父病院で研修できていれば更に充実できていたと考えるので、 後輩には外科志望あるいは消化器内科志望の人を中心に秩父での地域医療を強くすすめようと考えてます。

 最期に、朝・昼・夕とおいしい食事を提供していただいた、食堂の方たちには、とても感謝しております。全てのスタッフの皆様ありがとうございました。